※未来編後
※真六弔花も生きています





10年前からやってきた綱吉が倒した白蘭は、その後重傷のところを発見されて、ボンゴレの高度な医療チームのお陰で前とほとんど変わらない姿で生きている。

ほとんどとは、マーレリングは封印されたし、パラレルワールドを覗ける能力も使えないという意味だ。
そのため見た目はそれ程変わらないけれど、何故か雰囲気は憑き物が落ちたように妖しい雰囲気から爽やかな雰囲気になった。

けれどもボンゴレには最も危険視すべき人物であることは変わりなく、監視対象の一人である。。

それは白蘭と同じく、ボンゴレに助けられた真六弔花の面々も同じであり、白蘭よりも時間はかかったが彼らも治療を終え―もちろん修羅開口は出来ないようにはしている―今はボンゴレの監視下にある。あるハズなのだが。

幸か不幸か、白蘭は正一の監視対象兼ボディーガードというよくわからない立ち位置になり、今日もまた人が研究に勤しんでいる後ろでマシュマロを食べている。
真六弔花の面々もたまに正一のボディーガードに駆り出され、ニコニコと笑う白蘭の後ろで正一に向かって殺気を飛ばしている。

これは正一が技術者という面を差し引いても、身一つ守れない正一が悪いのだが、お腹の痛くなる原因の一つだった。

しかもこれがボンゴレ十代目の正一へのプレゼントであり、命令でもあるから質が悪い。

元はスパイだとは言え、正一はミルフィオーレの人間で、彼らを付ければ色々と思われるのは誰だってわかる。
ましてや彼らが何か企んだ時には、非戦闘員に等しい正一では対処出来ないのだ。

声高に正一は主張したが、ボンゴレ十代目――沢田綱吉はただニコニコと笑って、大丈夫だよと言うだけで、正一は負け、白蘭を連れて帰れる羽目になったのだ。

その後に解ったのだが、白蘭達にはあのトリカブトという術士が幻術をかけており、事情を知るごく一部の人間以外には全く別の人物に見えているらしい。

それ故に例え廊下で白蘭がじゃれつき正一に抱き付いてブルーベルが躍起になって引き離そうとする姿も、親の敵のように殺気を正一の背中にぶつける真六弔花の姿も、全て屈強な男達が正一を守っているように見えるらしい。

毎回会う度に同情したような獄寺の視線に泣きたくなる正一は必然的に宛てられた研究室に籠もるようになっていた。

研究室にいるのならば、しかも私室と繋がっており、滅多に外に出ないのならボディーガードは必要ない。

白蘭と真六弔花に宛てられた部屋に彼らを押し込め、ストレスから解放され、尚且つ研究に勤しめると正一には願ってもいない時間が訪れるハズだった。

なのに一応監視対象ということで、中からは出ることが出来ない部屋に入れたハズなのに、何故か研究を始めてひと息入れようとした正一の後ろで白蘭はのんきにマシュマロなんて食べていた。

慌てて彼らの部屋のロックを確かめたのだが、異常はなく、血相を変えた正一がやってきたことに真六弔花の面々は笑うだけだった。
白蘭に何か新しい特殊能力があるのかと疑ったが、しばらくして綱吉が白蘭を出したのだという結論に達した。

綱吉に聞いても、白蘭に聞いても、誤魔化すだけだが、元ミルフィオーレということでボンゴレ内からも、そして外からもよく狙われ、尚且つ研究に夢中になると絶食徹夜は当たり前の正一を綱吉が心配しているのは知っているし、白蘭が親友である自分を大切にしてくれているのも知っていた。
もちろん白蘭に言わせれば、親友だから正一を守るわけではないのだが、正一は親友だからと、あくまで突き通していた。



それだけ愛しているってことだから 上
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12/01/02 緋色来知


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