「志摩!!」

視界に俺が入ると、目を大きく開いて眩しいくらいの笑みを浮かべて。

片手をブンブンとはちきれんばかりにこっちに振って。

隣で不機嫌になる若先生には全く気がつかないで、ただ俺を認めるその姿が可愛らしい。

「坊。子猫さん。先行っとってください」
「授業遅れんなや」
「はいはい」

坊達に断りを入れれば、仕方ないと言わんばかりの表情を坊がして、そんな坊を子猫さんがいさめて。
二人が背を向けて、次の教室に向かうのを尻目で見て、すぐに視線を戻す。

「奥村君!」

名前を呼べばもっともっと笑顔になって。
その顔を近くで見たくて、俺は恋人のところに駆け寄るのだ。

二人
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11/05/24 緋色来知

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