「雪男……」

燐の感情を表すようにペタリと床に着いた尻尾に、クロが心配そうな顔をして燐を見上げる。
さっきから燐は何をするでもなく、床に膝を付いて窓から雨が降り続く外を見ていた。

“明日には帰るよ”

そう言って三日前にこの部屋を出て行った雪男はまだ帰ってこない。
雪男は強い、そう解っていても燐の心は時間が経つに連れて、何かあったんじゃないかと心配になる。

「早く帰って来いよ」

燐の願いに反して、まだ雪男は帰ってこない。


6.願う
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11/04/19 緋色来知


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