||| plus alpha

幼馴染で、同じ人魚(たぶんシャチとかサメ)の攻主くんが天才のフロに嫌悪感を抱いてる。毎回しつこく自分のところに来てはパラパラ〜って教科書読むだけでテストは満点、気まぐれで0点、そんな態度のフロに対して嫉妬と憎悪に苛まれて、一度だけ「お前はいいよな、大した努力をしなくても簡単に満点、今回のテストは気が向かなかったから?良いご身分だな。お前が羨ましいよ。」って言っちゃって、それから怯えたように「しゃ、シャチくんの方がすげぇってオレ知ってるもん。オレなんて何もしてないし……」って健気なフロが半泣きになってるのをみて余計に嫌うようになる。

強者として生きてきたから、自分と同じ肉食の上位で、しかも自分より優れてるフロがそうやって下手に出てくるのがとにかく理解できないし、気に食わない。

そうやって嫌悪を示したのは一度きり、あとは元通り、ギクシャクしていたのは数日の内。でも明らかにスキンシップも、付き纏ってくる時間も増えたフロに対してヘイトはどんどん高くなっていく。

そのまま同じ学校のオクタに配属されて、新しく入ってきた監督生とフロが仲良くしてるのを見て、「人魚が人間になる薬」を手に入れた攻主くんが、毎日毎日フロに手料理を振る舞って,そこに少しずつ盛っていく。純粋な悪意。フロは自分の食べてる料理の中に薬が入ってるのに気が付いてるし(海の匂いがする)けど、それを拒絶して嫌われたくないし、もし攻主くんの手で殺されるのならいいって健気に毎日食べてる。

オチは最後の一欠片入れる前に
「お前気付いてるんだろ?なんで馬鹿みたいに食ってんの」

って自分が作った料理の皿ひっくり返して、得体の知れないモノを見るような、滲む嫌悪感に、恐怖したフロが泣きながら
「ちゃんと、シャチくんの作ってくれた奴、ちゃんと食べるからっ、嫌いにならないでっ」
って床に散らばった料理食べようとするフロ。涙でぐっしゃぐしゃになって汚い顔で這いつくばってるのにどうしようもない高揚感感じた攻主くんが
「ふはっ、馬鹿じゃねえの。その中に薬なんて入ってねぇよ。そんなに人間になりたかったの?あぁ、そういや小エビちゃんとずっと一緒にいられるなぁ?よかったな?」
って嘲笑ってる。たとえ服用やめたとしてもどんな影響が出るのかもわかんないし、たとえ薬の副作用のせいでフロの体がどうなっても良かった真性クズ男の話。

本当は両思いだったけど、お互い拗らせすぎてお勘違いしたままだし、攻主くんはフロと監が出来てると思い込んで、フロはそんな彼に捨てられたくないから酷い仕打ちを受け入れるしかない。すれ違ったまま戻らない。

Oct 09, 2021 04:25
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