||| plus alpha 初めて会った時に私を見つめた新緑のような瞳から逃れられなかった。彼の出身からして緑の瞳なんて特段珍しものでもない。それでもぴかぴかと飴玉のように光るその魔力が、私を惹きつけてやまなかった。 「イライ、好きだよ。」 あまったるい砂糖をどろどろに煮詰めたみたいな声で囁かれて、曖昧に頷いたが、その胸の中は嵐のように吹き荒れていた。知っている、彼が私に愛想を尽かせばやがて誰にでも同じことを囁くようになるということを。 「うそつき。」 そう拒絶することができたらよかったのに。まるで蜘蛛の巣のように絡めとられて、もう彼から逃れることさえできないのだ。 Oct 07, 2021 05:08 browser-back please. |