第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -


台所。

バタァン!!
蠍「夕美は!?」
角「買い物だ」
蠍「何処へ!?」
小「…さぁ?
近所の商店街くらいじゃない?」
ぺ「帰ってくるまで待ってた方が確実…」

バタァン!!

サソリはペインの言葉を最後まで聞かず、家を出ていってしまった…


小「…はぁ」
角「世話が焼ける…」
ぺ「二人ともやっぱり仲良しだね〜」









商店街。


夕美「すみません!
キャベツ二玉とジャガイモ8つ下さい!」

おばちゃん「おやおや夕美ちゃん、今日は一人かい?」

夕美「………はい」

おばちゃん「ははっ!
こりゃなんかあったみたいだね〜…
よしっ!
元気が出るよう、私がミカンあげようかね!」
夕美「いいんですか!?」

おばちゃん「あぁ、いいよいいよ。
いっつも来てくれるし、夕美ちゃんはいい子だからね…」

夕美「へへっ…
ありがとうございます!」



夕暮れ時の商店街。
親子連れや夫婦が行き交う中、夕美は一人…
買う物を書いた紙を持ち、沢山の買い物袋を持って歩いていた。


夕美「…おっも………」

なんで今日、一人で来ちゃったんだろ…?
ただでさえ荷物多いのにな…
あ〜あ。
いつもは先生がいるのに…
…いいや!!
今日はそんなこと考えちゃダメだ!!



………………




…明日、ちゃんと謝ろう。
イタチさんにも謝ろう…

やっぱりみんなに謝らなきゃな…
椅子砕いちゃったし…
…角都さん怒るかな…?

…そういえば、角都さんがくれたコレ………
どうすればいいのかな?

帰ってお姉でも誘ってあげよ…



と、その時。
ぽんッ
夕美「Σ!!」

夕美の肩を誰かが叩いた。

夕美「はいっ!?」

夕美が振り返ると、そこには…



「お嬢ちゃんすまんのう!」
夕美「?」


…なんか、チンピラがいた。


夕美「…はい?」

「いや〜、お嬢ちゃんに頼みたいことあるんやけど…
ええか?」

夕美「…私に、できることだったら………」

「そうか!!
悪いな〜、ほな…道を」
蠍「砂鉄時雨ゥぇぇぇぇえぇ!!!!」
「Σぎゃぁぁぁあぁぁぁぁあぁ!!!?」

街中で思いっきり砂鉄をぶつけられ、チンピラは一目散に逃げ出してしまった。

夕美「Σ先生!?なんで…」
蠍「あんっのチンピラ野郎!!
夕美をナンパしやがるとは…」
夕美「違います!
道聞かれただけですよ!?」
蠍「Σはぁぁぁあぁ!?」

夕美「ベタですけど本当です!」

蠍「…まじかよ………
あ〜ぁ…かっこわりぃ………」


頭を抱え、その場でしゃがみこんだサソリ。


夕美「………先生?」

蠍「………」

夕美「………ごめんなさい!!」
蠍「Σ!!?」


勢い良く頭を下げた夕美だったが、持っていた袋から…
沢山のジャガイモが転げ落ちた。

夕美「Σはッ!!」

蠍「………ククッ…」
夕美「Σちょっ…!笑わないで下さい!!」


やっちゃった…と言いながら急いでジャガイモを拾い集めていた夕美だが、サソリに拾ったジャガイモを渡され、また少し…照れくさくなった。