夕美の部屋前。 閉まったドアの向こうから聞こえる、「うぉるぁぁぁぁあぁ!!!!」とか「グレてやるぅぅぅぅうぅ!!!!」 なんていう叫び声と、破壊音。 鮫「…どうします?」 鼬「今入れば…俺でも死ぬ可能性がある」 鮫「………」 しばらく騒音を聞いている内に何か重いモノが当たる音がして、夕美の「…痛い………」という呟き声が。 このチャンスを逃すか!!とばかりに、夕美の部屋へ突撃する動物コンビ… こんこんッ 鼬「夕美、入るぞ?」 夕美「Σ!!」 動物コンビが入った部屋は壮絶なモノだった。 普段、暁で三番目に綺麗な場所(一位角都の部屋、二位小南の部屋)を誇っている夕美の部屋。 そこは本棚が倒れ、ベッドに穴が開き、椅子が氷づけになり、カーテンが燃え、壁と床と机に武器が刺さりまくった戦場地へと変わり果てていた。 鮫「これはまた…」 夕美「ズビィー! はい! どうしたんですか!?」 鼬「夕美、泣いて…」 夕美「違います。 オイルが溢れたんです」 鮫「サソリさんは兎も角、夕美さんじゃ無理がありますよ?」 夕美「………」 鼬「…何があった?」 夕美「…………… グレてやるぅぅぅぅうぅぅぅぅぅうぅ!!!!」 そう言って、凍った椅子を砕く夕美。 鮫「ストップ!! 夕美さんストップ!!」 鼬「…あ、そうだ!」 鮫「!?」 鼬「夕美、俺の弟子にならないか?」 鮫「Σイタチさん!?」 夕美「Σえっ!?」 鼬「サソリさんはもういいんだろ? なら、俺の弟子になればいい… 夕美はもともと幻術の素質があるだろう? 俺なら、それを伸ばしてやれる…」 夕美「………でも…」 鼬「まぁ、ゆっくりでいい。 考えておけ」 鮫「Σちょっイタチさん!?」 イタチはそう言い残すと、夕美の部屋から出ていってしまった。 そして後を追う鬼鮫… 残された夕美は、唖然としたままその背中を見送った。 デイダラの部屋。 蠍「と! ゆーことでだ!! 夕美が買い物に行った時にお前らがチンピラに変化して絡め!! そして俺が助けに入る!!」 泥「いつの不良漫画を参考にしたんだ。うん」 銀夜「っつーか夕美に絡めば、サソリが来る前に俺ら死にますが?」 蠍「知るか」 泥・銀夜「「赤鬼めッ!!」」 ガチャッ 鼬「あ、サソリさんここでしたか?」 泥「Σオイラの部屋だぞ!!ノックしやがれ!!」 鼬「五月蝿いぞ髷。 …それよりサソリさん、お話が」 蠍「あぁ?」 鼬「夕美、俺が弟子にもらいますから」 蠍・泥・銀夜「「Σはぁぁぁあぁ!!?」」 鼬「いえ、サソリさんさっき夕美のこと『破門』っと言ってましたし… ぶっちゃけると、サソリさんより夕美の長所を伸ばせる自信がありますから」 蠍「Σてめッ!!ざけんなイタチ!!」 鼬「なら、こんな馬鹿相手に馬鹿な計画を立てず、早く夕美の所へ行ってあげたらどうです?」 銀夜・泥「「馬鹿馬鹿るッせェ!!」」 蠍「…チッ」 凄い勢いで、サソリは部屋の外へ飛び出していった。 泥「…イタチ、なんでわざわざ言いに来たんだ? 言わなきゃ、もしかしたら夕美が弟子に…」 鼬「ふっ…そんなことで夕美を手に入れようなどナンセンス。 それに、俺は夕美にはやく笑ってもらわないと困る… 俺の最高の妹なんだからな」 銀夜「………」 鼬「…銀夜? 今日はお得意の『欧米か』のツッコミはないのか?」 銀夜「……… てめーが、 ちょっとカッコイイこと言うせいだろ…」 泥「Σうん!?」 |