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それはまるで絶叫マシン。
上がるだけ上げてから、落ちるスリルを楽しんでいる。
恋ってのはそういうもんだと思うわけだ。

「つまり、つまりだよ、シズちゃん」

落とすだけ落としたら満足して去っていく最低な男もいるわけ。俺のことじゃないよ?あくまでそんなやつもいるってだけ。だからって君にもっと警戒心を持てとか周りに気をつけろって言いたいわけでもない。そもそも君を落とそうなんて思う命知らずの馬鹿がこの世に存在するとも思ってないしね。じゃあ何が言いたいのかって言えば、つまりはそうだよ、

「ちょっとは気付いてくんない?ってこと」

どこから聞いてなかったのかは知らないが、明らかにイラついた顔をしている目の前の彼女は「はァ?」と綺麗な顔で俺を睨みつけた。
せっかく俺がご丁寧に説明してあげてんのに、聞いてないなんて失礼にも程があるよ。

「つまり、の前も後も全くもって意味不明だ。ちょっとはまともな日本語喋ってくんねえか?臨也くんよお」
「あっはは、やだなあ。喋ってるじゃないか。君の理解力が足りないんだろう?」
「そうかい、じゃあわからないままでいいからとっとと死んでくれ」

ちょっといつもよりも積極的になってみれば俺の話を聞くのが嫌いな彼女は標識を引っこ抜くし逃げたら自販機投げてくるし、可愛さのかけらもありゃしないね。
まったく、

「じゃあね、また来るよ!シズちゃん」
「一生くんなぁあああ!!」

こんな女が好きだなんて、我ながら人生損してる。



ハイドアウト・ジェットコースター
(まずはちょっとくらい、上げてることに気付いてよね)
(……あの鈍感女には、無理な話か)