ああ、かわいい。 「おい、臨也ァ……」 かわいいかわいいかわいい。 「聞いてんのか、ああ゙?」 凄んでるつもりなんだろうけどそんなもの全く怖くない。 とにかくかわいいとしか言いようのないシズちゃんに俺が返した言葉は一つ。 「…シズちゃんかわいい。かわいいよすごくかわいい、愛おしいよシズちゃん!!」 どうしてこんなにも二人の話が噛み合わないのかと言えばそれはまず今のシズちゃんの格好にある。 エプロンだ。 俺の家のキッチンで青色のエプロンを掛けてジャガイモの皮を剥くシズちゃんはもう新妻でしかない。 シズちゃんラブ!!新妻なシズちゃんラブ!! 「いーざーやー、離れろっつってんだろぉ…」 「シズちゃんかわいいよ。もう一生離さない。そのジャガイモと包丁に嫉妬してしまいそうだよハニー」 そして俺はといえばシズちゃんを後ろから抱きしめ、皮剥きを絶賛おジャマ中だ。 だってまさかエプロンなんかしてると思わなかったから何食べたいか聞かれてカレーなんて答えてというかそのエプロン持参!? かわいすぎるよ、シズちゃん!! 「シズちゃんもうお嫁に来なよ、幸せにするからさあ!」 「……毎日料理のジャマされんのやだ」 若干拗ねたように包丁を起き、ため息をつくシズちゃん。 それはまあつまり、だ。 「料理の邪魔しないならお嫁来てくれるってこと?」 「な…っ」 「だよね!なら俺ジャマしない!おとなしく待ってるからね、シズちゃん!食べ終えたら婚姻届書こう!」 反論を言わせない速さで離れてリビングに向かう。 しばらく無音だったキッチンからは、再度包丁を取る音と共に「受理してくれるわけねえだろ……」との呟きが聞こえた。 書くことに意味があります (とりあえず裸エプロンでご飯にする?お風呂にする?それとも俺?って……) (やるわけねえだろ、死ねノミ蟲!!) |