第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -


認めたくなかったはずの事実は、
気付いてしまえば何事もなかったかのようで。
すとんと胸に落ち着いて、そのことにひどく安堵した。

私という存在はいらない。
私という人材に必要はない。

無邪気に笑い続けたあの頃の自分が、
今は遠いところで泣いていた。

私という存在に意味はない。
私という人材は無価値。

さよならさえも無音になり、
きっと誰も耳を傾けてはくれない。

私という存在の代わりはいくらでもあるけれど、
私という人材には代わりさえも必要ない。

私という私を知っている人なんて、
誰ひとりとしていないのだから。