認めたくなかったはずの事実は、 気付いてしまえば何事もなかったかのようで。 すとんと胸に落ち着いて、そのことにひどく安堵した。 私という存在はいらない。 私という人材に必要はない。 無邪気に笑い続けたあの頃の自分が、 今は遠いところで泣いていた。 私という存在に意味はない。 私という人材は無価値。 さよならさえも無音になり、 きっと誰も耳を傾けてはくれない。 私という存在の代わりはいくらでもあるけれど、 私という人材には代わりさえも必要ない。 私という私を知っている人なんて、 誰ひとりとしていないのだから。 |