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「おかえりセルティ!!待ってたよ!もう僕だけじゃ手に終えなくて……っ、って、静雄?」

セルティがマンションの扉に手をかけようとすると中から勢いよく開かれる。
ぶつかりそうになって後ずさるとなんとか避けられた。

『ただいま、新羅。そこで会ったから連れて来たんだ。それよりどうかしたのか?』

セルティがPDAを新羅に向ける。
新羅はそれを見て疲れきったようにため息をついた。

「実は……あ、いや。とりあえず二人とも入りなよ。見たらわかるから」

新羅が先に中に引っ込み、首を傾げながら俺とセルティが続く。
リビングに入るとテレビからバラエティ番組の賑やかな声が聞こえていて、それから机に突っ伏して寝ている人物がいた。
そいつの周りには酒らしき缶やワインのビンが散乱している。

「いざ、や?」
「この有様だよ。さっきまでぐだぐだと管巻いてたんだけど、玄関で話してる間に寝ちゃったみたいだね」

臨也がやけ酒なんて珍しいよね。ねえ、静雄。
にやにやと俺を窺う新羅は臨也がどうしてそんなに酒を飲んだのか知ってるんだろう。…大体予想は付くけど。

「……俺だろ?」
「よくわかってるじゃないか。とにかくシズちゃんがシズちゃんがって大変だったんだよ」
「…………すまん」

セルティは困惑したようだったが、俺は久々に会えた(と言ったら語弊かもしれないが)臨也に少しだけ頬が緩む。
それにしても謝ってない手前家まで送るのもどうかと思い、セルティに向き直った。

「臨也のこと、家まで送ってやってくれるか?お礼は今度するからさ」
『いや、お礼とかはいいけど。それでいいのか?』

小さく頷いて、セルティに後を頼んだ。