仕事終わり、いつもよりも二時間もおそくなって外はもう真っ暗だ。 携帯の画面を開いて今日何度目かもわからないため息をつく。 昨日あれから着信が三件入っていたけど今日はメールも電話もゼロ。あれだけメールで謝ろうと決意してたのに臨也へのメール画面を開いては電源ボタン連打の繰り返し。 「なんてメールしよう……」 昨日はごめん、か?それとも怒ってないから、とか、でも俺が怒らせた可能性もあるよな。やっぱ素直に謝るべきか? いつも喧嘩してるってのに、謝り方もわからないなんて、どれだけ臨也が折れてきたのかわかるってもんだ。 メール画面を開いたまま家に歩を進ませる。いっそこのまま臨也のマンションにでも行ってみるか? ……忙しくて会えないからこんなことになってるのに、行ってどうすんだよ。馬鹿か俺。 そこで、肩を叩かれた。振り向くと友達の影がそこにいた。 「セルティ!」 『どうしたんだ?盛大なため息が聞こえたぞ』 どうやら気付かないうちにもため息をついていたようで、セルティは文字を打ったPDAを差し出して心配そうに首を傾げる。 『何かあるなら相談に乗るぞ。とりあえず家に来ないか?』 そういえばセルティと新羅は喧嘩したって聞かないよな…。 俺はそんなことを考えて、小さく頷きセルティのバイクに跨がった。 |