ゲームの上手い女の子って、可愛くないよな。 そんなわけのわからない発言がされたのは今から三秒前。 「……そうかな?」 「いや、そりゃゲームの上手い可愛い子なんて山ほどいるけど、なんていうか……イメージ的に」 「?」 「なんか…、何回やってもゲーム出来ない子って可愛い気がするけど、彼氏とかよりも断然上手い子って嫌じゃないか?」 なんていうか典型的イメージだなあ……と思いながらじゃあシズちゃんは可愛いね、と言えばあからさまに眉をしかめられた。 「はあ?俺は結構上手い方だろ?そりゃやたら上手いってことはないけど……」 「そういうことは一度でも俺に勝ってからいいなよ。格ゲーも落ちゲーもさ」 嫌そうな彼女に笑って言うと、それはそれだ!と怒られた。今がそれの話だと思うんだけどなあ。 「まあ、ゲームの出来る可愛い子はゲーム好きの彼氏には持って来いだと思うけどね」 そう締めくくって話題を変えようとすると、彼女の口が何かを言いかけて閉じたことに気が付いた。 なんだろう。 「なに?」 「……」 「なんか言いかけたよね。どうしたの?」 頑なに口を閉じるシズちゃんに首を傾げると、「……ざや、は、」と聞こえた。 「ん?何?」 「い、ざや、は……その、」 口ごもりながらもぼそぼそと俯いて口を開く彼女。俺よりも、ゲーム上手い子の方がいいか……?と上目に見遣ってくるその姿に、全身全霊でノックアウトされた。 ゲームは一日一時間まで! (俺はゲームよりもゲームの上手い子よりも一億倍、一兆倍、いやもっともっと!シズちゃんを愛してるよ!!) (……恥ずかしいから、叫ばないでくれ) |