婆沙羅 | ナノ


また今日も、梵天丸は森の奥に向かって大好きな聖蝶の元まで走っていく。今日も大好きな聖蝶と一緒に話をしたり、庭に出て一緒に追っかけっこをして遊んだりした。物知りな聖蝶は色々な事を梵天丸に教えて、梵天丸は新たな事実に驚き納得をして、もっと色々な話を聞きたいと聖蝶に頼んだ。特に強く押したのは、聖蝶は海を越えた南蛮の国の言葉を知っていたので、自分も聖蝶と同じ言葉を使いたい!と南蛮語を教えてもらえる様に頼み込んだ。聖蝶は快く承諾をし、色々な南蛮語を教えていった。感謝の言葉に、謝罪の言葉。それを踏まえて一つの文章になる様に丁寧に教えていった。賢い梵天丸はぎこちながら覚えていき、会話に一単語入れれる位まで成長した。自分の説明で覚えていく梵天丸に聖蝶は喜び、また梵天丸も喜んだ。聖蝶と同じ言葉を使える様になり、また聖蝶の喜ぶ顔を見る事が出来た。あの城の中で学ぶよりも俄然こっちで学んだ方が為になるのに、と梵天丸は思った





「…俺、あっちで学ぶより、こっちで色々な事を姉上から学びたい」

「どうしたの?いきなり」

「あっちに行っても、南蛮語なんて教えてくれる奴なんていないし行政なんてつまらないし…。けど、姉上は小十郎が知らない色々な事を知っている。俺…あっちに行きたくねぇ…」

「梵天丸…」





わがままだと言う事は幼い梵天丸でも分かっていた。これでも城の跡継ぎとしての自覚さえ多少なりある梵天丸だが、ただの子供でつまらない行政を学ぶよりもこっちで楽しい事を学んだ方がいいのだろう。だが忘れてはいけないのは城の跡継ぎとしての知識も梵天丸には必要だということ。でも梵天丸は嫌々される事よりも楽しんでやる方がよかったのだろう





「でもね梵天丸、逆にその小十郎っていう人が知っている事を、私が知らない事だってあるんだよ」

「え…」

「私が物知りなのは私が梵天丸より長く生きていて、色々な所に回って、色んな人に聞いてきた事を今梵天丸に知識として教えているの。小十郎って言う人も、彼の人生の中で得た事を梵天丸に教えてくれている。お互い生き方が違えば知ってきた事も違ってくる。ここまでは分かる?」

「うん…小十郎も、姉上も生きていても違う道を歩いているから、違うのも当たり前…か?」

「偉いね。そう、その通りよ。互いが違うから、色々違ってくる。でもね梵天丸、君はもしかしたら私と小十郎って言う人より以上に物知りになる可能性が高いんだよ?」

「…ほわっつ?」

「今梵天丸はここで小十郎って言う人が知らない事を学んでいる。あっちでは私が知らない事を小十郎って言う人から学んでいる。ここまで言えば、分かる?」

「…!そうか!今俺は二人に色々教えてもらっているからこのまま色々学んでいけば小十郎が知らない事、姉上が知らない事が分かるんだ!」

「That's right!もちろんその小十郎って言う人以外にも、色々知っている事だってあるんだ。梵天丸はまだ若い、もしかしたら色んな人から色々聞けるかもしれない。そうして人は成長していくの。もちろん、梵天丸もね。だからね、城に行きたくないなんて言っちゃ駄目だよ。あっちには小十郎って言う人が梵天丸を待っているから、その人の気持ちを踏みにじる事はしてはいけないよ。Are you Ok?」

「いぇす!」

「よく出来ました。色んな事を学んで、クールでビックな男になるんだよ」

「おっけー!俺、くーるな男になるぜ!」




この時から梵天丸は勉強熱心になったのだが、ある意味中途半端な単語で将来間違った使い方をするなんて、誰も知るよしはない











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