「おいおい、また同じものがあるぜ。さっきも見たよなこれ」 「ぬ。景色は全然変わっていない様に見えるのは某だけで御座ろうか…?」 「あれ?ここって俺様がついうっかり!した所じゃん。何でー?」 「…?何ぞ、これは。結界に血が付着しておるではないか」 「…未来にも蟻の行列はあるみたいだね…」 「Shit.道に迷ったな」 第六話 「四角いもの」 「「「デカッ!!」」」 腹を空かしている為頭に酸素と栄養が滞ってなく軽く眩暈をしながら歩いて数十分。錯覚か、はたまた幻術か分からないものに掛かったみたいにグルグルと同じ場所を回り(つまり迷子)遂に発見した入口はそれはそれは立派で大きな扉でした 戦国時代の戸一枚ではなく、勿論そこは未来の最先端な技術で作り上げた扉。傷は一個も付きません。外装はどっちかって言うと洋風な感じ。玄関には綺麗な花が咲いていて、来客を歓迎してくれている 扉の斜め上にある表札にちゃんと「紫蝶」と達筆で書かれてあれば、現代に住む人々はここが玄関だと分かるだろう。どうやら彼らもここが玄関だと気付き安堵の溜め息を漏らすが、それよりも先に見ての感想を口からポロリと漏らしたのが約数名 …まぁ、確かにデカいわなぁ、と現代人も頷く位な訳ですからね 「んで、どうする?」 「どうするって…」 「ここはやはり佐助君にやってもらうのが一番じゃないかな?」 「Σえー!?俺様!?」 「これ位なら貴様も出来るであろう」 「酷っ!俺様をこんな未知の敵陣にほっぽり投げる気!?」 「如何なる時も最優先に進むのが忍であると某は思っているぞ」 「旦那!?それ旦那が言っちゃう!?」 最初に一手を決めるのはやはり忍である佐助と全員に言われ渋々承諾した佐助 「あぁ…俺様ってなんて可哀相なんだろ」とブツブツ言いながらクナイを構え色々調べ出す 残った者達は後ろでのんびりと待機しているか、腹が減ってうなだれているかどっちかだ 「…ん?何だこれ」 「!何か見つけたのか?」 佐助が見つけたものは、扉の隣にある四角い黒い物体 現代人ならば、それはインターホンだと分かるだろう。この家のインターホンは普通な何処の家庭にもあるもので、特別凄いものではない。ただ家の中にある内線が高技術で作られている為、あまり他人からは気付かれない また言うがこんな最先端なものを知らない戦国武将達。また謎のものが一つ増えた 「What's this?」 「黒いな」 「四角いね」 「これは何の為にあるんだろうね」 「ん?一部ヘコみがある…これ、押せばいいのかな?どうする旦那ら」 「「「よし、押せ」」」 「Σ俺様が!?」 こーゆう役は必然的に佐助に降り懸かるのはもう本人も諦めた方がいいのかもしれない 「いくぜ…ほんとのほんとにおっしゃうぜ…」 「さっさと押せよ猿」 「簡単に言うけどね、これすっごく集中いるんだよ!?マジこれ罠だったらどーすんのさ!」 未来のインターホンにはそんな機能は御座いませんよ佐助さん 「佐助ぇ!武士たる者、その様にねちねちしていたらきりがないぞ!」 「俺様忍なんだけど!」 「るせぇ!男ならビシッと一発決めやがれ!」 「ぎぃやぁぁあ!ちょ、止めてよ鬼の旦那ぁぁあ!」 「Hey,元親…そんな力任せにやると色々ヤバいんじゃ…」 ピーーン、ポーーン… 鳴り響いた機械音 「はいはい、やっとここまで来れたみたいだね」 女は呑気に部屋の掃除をしていた |