シロガネ山には伝説のトレーナーが存在する。そんな噂を耳にした。そのトレーナーは最年少チャンピオンで、マグマ団やアクア団みたいな悪い奴等バージョンなカントーに住み着いていたロケット団っていうものを見事解散させたヒーローなんだと。今は姿を見たものはいなく、行方不明。破滅的な強さを持つ実力から、彼は見事伝説までに昇格した。赤い帽子と赤い瞳と赤い名前が印象的な、私と歳は変わらない位の少年、レッド。ジョウトに足を運んでジムリーダーを着々と制覇していくと度々耳にしていくから、嫌でも考えてしまう。私と彼がもし戦う事が出来たのなら、一体どうなるのかなってね




「…そりゃお前、シロガネ山が吹っ飛ぶ位の戦いになるんじゃねーか?」
「…そこまで言いますか?」
「まぁな。…俺は一番アイツの実力を身に染みている。今でもアイツの事だから特訓特訓とかいってどんどん強くなっているんだろうな。お前はもうこの道ベテランで、しかもホウエンのチャンピオンなんだろ?そんな奴等が戦う姿は見物だけど、俺は遠慮願いたいぜ」



最も、アイツが無事だったらの話だけどな。と、カントー地方最終ジムのリーダー、グリーンさんは答える。聞けばグリーンさんはレッドさんのライバルで、レッドさんがチャンピオンになる前に既にチャンピオンになっていたそうだが、レッドさんがそれを奪ったそうだ。ここまで答えたグリーンさんは苦虫を噛んだ顔をしていた。でもその目はとても優しくて、グリーンさんらしい、と思った



「もし、そのレッドさんに一言伝えたいとしたら、グリーンさんは何を伝えますか?」
「もちろん、テメェ心配かけさせんじゃねーよ阿呆!だな。んでその後一発殴る。それからアイアンクローをかまして、俺達を心配させた事を後悔させてやる」
「俺達、と言いますと?」
「俺やレッドのお袋、後はレッドが今まで出会って来た奴等だ。音信不通を三年も続ければ嫌でも心配するぜ」



ケラケラと、おもしろおかしく笑う。グリーンさんはそれから、「アイツは何処に行っても死なないで生きているだろう。心配する程損だ損」と溜め息を吐きながら言う。その台詞を聞くと、グリーンさんはレッドさんを信じている事がひしひしと伝わってきて、自然と口許が緩んだ



「アイツは無口で無表情で無愛想で無関心な奴で、それでいて変な事に首を突っ込んでいく馬鹿な奴だ。頭の中は基本ポケモンの事だらけで、そんな奴だからなのか…女子にはかなり良く想われていたのを聞いたな。もちろんポケモンにも好かれる奴で、ポケモンを扱うのもムカつく位上手くて強かった」



グリーンさんの話を聞けば聞く程、レッドさんに会ってみたい気持ちが膨れ上がっていく。あのダイゴさんから奪い、勝ち取ったホウエンチャンピオンとして、彼の実力が気になると同時に彼本人の資質もこの目で見極めてみたい。そう言えばグリーンさんは驚いて目を見開く。私の言葉は嘘はなかった。高みを目指す者として、彼を倒してみたい。それは宿命にも近かった。グリーンさんは目を輝かす私を静かに見つめると、フッと笑い「がんばれ」と一言言ってくれた。そして私は答えた。勝った暁にはレッドさんを貴方の前に連れて来る、と。負けた場合はどうするんだと呆れた顔で言われたが、その時はスキみて連れて帰ると言えば、グリーンさんは大声で笑った




小指と小指を結んだ日



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