「美莉殿ー」

「あ、幸村ー」




日常を覗きましょう:幸村






「珍しいねー、幸村が一人でいるなんて。いつも佐助がいるのに」

「あやつは違うクラスゆえ、普段いつも一緒では御座らん。それに佐助は移動教室だからいないで御座る。美莉殿も珍しいではないか。いつもなら政宗殿が隣におられるのに」

「あぁ、政宗は景綱…片倉先生に呼ばれて…というか引っ張られて?どっか行っちゃったかな。まぁ何時もの事だから温かい目で送ってあげたけどね」

「そうで御座ったか。それで美莉は今何を?」

「私?私はさっきの授業で書かれた文章をノートに写していたの。幸村は?」

「某は……分からぬ問題を教えて頂こうと、政宗殿の元に出向いた訳だが…」

「見事にいなかった、と」

「そうで御座る」





幸村は赤点常習犯





「幸村は勉強に対する意欲は皆も認める程なのに、何でテストは実力が発揮されないのかなぁ」

「面目無いで御座る…」

「いやいや、そう落ち込まないで。落ち込む気持ちも分かるから、ね?ポッキーあるけどいる?」

「かたじけない(即答」






ポッキー片手にモグモグとする幸村と美莉

美莉は幸村が手にするノートに視線を写す







「そういえば…今回は何を聞こうとしたの?」

「先程の英語の授業が理解不能で御座る(モグモグ」

「英語嫌いだもんね、幸村は」

「次の試験にまた赤点を取ってしまったら…!!」

「(他の試験もヤバいんじゃ…)」

「他に現代文や数学や科学や…」

「あらー」






幸村は美莉が思っている以上に勉強に対する意欲は強い。全てに懸ける情熱は彼の師、武田信玄からの受けいりだ


…が、

スポーツは成績はトップと言っても過言ではない幸村だが、彼は母の腹に何を置いていってしまったのだろうか






「…幸村、そんな落ち込まないで。そもそもこの学園に入れた時点、君は頭は良いんだから…(いや、君はスポーツ推薦だけど」

「美莉殿…!」

「よし、なら今回は私が教えよっか?政宗みたいに上手い発音と上手い説明は出来ないけど、それでよければ後で教えるよ」

「美莉殿に教えて頂くなど…!有り難き幸せ!!それではまた後でそちらにお伺いいたすで御座る!!」

「なら教室で放課後。今日は部活は無いよね?」

「無論、今日は部活は無いで御座る」

「なら良かった」

「ではまた後でお会いしましょう」

「うん、また後で」













赤点常習犯だからこそ、こうやって教えて頂けるから



「あれー、旦那帰らないの?久々のお休みじゃん」

「今日は美莉殿に勉強を教えて頂く為まだ学校に残るつもりだ」

「!!なんですと!?羨ましい!!」






でも本気で勉強しなくちゃと内心焦る幸村


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