―――シロガネ山

そこは許された者しか足を踏み入れる事が出来ない、超危険区域

あまりの危険さに並大抵の実力を持つ者はシロガネ山に入れても野生のポケモン達の手堅い歓迎で引き返す事になるだろう。いくらベテランなやまおとこでも実力が確かにあるトレーナーでも、シロガネ山を制覇する事は難しい、難攻不落の絶対的存在の山




しかし

そのシロガネ山の奥深く

そこには、二人の少年少女がいた






「エンジュシティは中々良い所だったよ。で、そのお土産。紅葉の形をした紅葉饅頭。中々美味しいよ。息抜きにでも食べてよ」

「……」






オレンジのコートを纏った漆黒の瞳を持つ少女が、ケラケラと笑いながらお土産であろう紅葉饅頭の箱を開けて少年に渡す

帽子を被り、赤い瞳を持つ少年はあまり興味が無いのか、箱を受け取るだけで食べ様とはしない。少年の隣りにいるピカチュウが物欲しそうに見ているのを少女が気付くと、少女は微笑みながら一袋を取り出し中身を開ける。可愛い形をした紅葉饅頭を見るや否やピカチュウはキラキラした目で紅葉饅頭を目で追い、少女からピカチュウに紅葉饅頭が渡ると嬉しそうに食べ始める。それを見兼ねた少女の隣りにいたアゲハントが自分も食べたいと意思表示すれば、今度は少年が袋を開けてアゲハントにあげた。アゲハントは嬉しそうに頬張れば、少女は嬉しそうにアゲハントの小柄な身体を撫でる






「気に入った様で嬉しいな。そのお土産は皆で食べてね」

「…行くのか」

「えぇ」






饅頭を食べているアゲハントを一撫でし、他に寛いでいたポケモン達をボールに戻す

スイクンとセレビィとミュウツーだけボールに戻さず、スイクンの背中に少女は乗る。目が見えないのにその動作は優雅だ。少年は少女を見上げた






「…気をつけろ」

「ありがとう。貴方も気をつけてね、こんな危ない山に引き篭もっていちゃ何かあった時手遅れにならないようにね」

「あぁ」








少女の名前はミリ

少年の名前はレッド






彼らは最強トレーナー





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