「ブィ!」

《あるじ様!》

「ブイ!」

《僕達!》

「「ブイブイ!」」

《お腹が減った!》




「流石双子。息がぴったりだね」

「…」



――――――――
――――――
――――
――








「それで時杜、此所は一体何処の時空なの?」





赤色のセレビィこと、時杜を仲間に向かい入れた私は早速時杜に質問を投げ掛ける

一度仲間になるとして赤いモンスターボールを取り出して時杜をゲットしても、消えなかったこの赤色の空間。とりあえずまた時杜をボールから出しても消えないこの空間は、きっと時杜の意思無しだと消える事はないだろう

そしてさっきから気になっていたのは今いる場所だ。あれは、絶対、確実に、私達はあの空間から時を渡ってしまっている。きっと此所は過去なのは間違ない。なんか周り古いし(←)





《やっぱり時を越えたのはお気付きでしたか》

「伊達に異世界を渡り歩いていないからね…。此所は何処の過去で何処の場所?」

《此所は今から二年前のセキチクシティです》

「…二年前のセキチクシティ?」





二年前といえば…

スペでレッドを基準に考えれば…確かレッドは(多分)16歳で、二年前だから14歳だよね。その時は…第三章編、だった気がする。スオウ島から一年後の話だったから、アレだ、マスク仮面事件の時

あー懐かしいなぁ、この時期好きだったんだよなぁ。一番好きなのはスオウ島編だけど←






「でも、どうして此所に?」

《僕は、貴女が今最も行きたい場所に行ける様に空間を開きました。本当ならマサラタウンの家の前に着くはずでした。ですが此処は過去…きっと無意識に貴女自身が力を使い、此所に来たんだと思います。つまり…》

「現実世界には私がセキチクシティで最も戦いたい相手が、いないから?」

《だと思います》








そう…今最も私が戦いたい相手は、セキチクシティのジムリーダー

今のジムリーダーではない、元ジムリーダーとして名を馳せた男


確かに私の心はそっちに向いていて、早くマサラタウンに着いたらさっさとセキチクシティに行こうと思っていた




「セキチクシティのジムリーダー、キョウ。彼は娘にジムを任せて行方を眩ませた。しかも彼は元ロケット団であり幹部だ。…アンズより、倒してバッチをゲットするなら断然こっちがいい」






好都合かもしれない

過去でキョウと会って、バトって、バッチを貰う。その後にも色々聞けるかもしれない。白亜と黒恋を、ロケット団に連れて来て連れ出した、ナズナについて

それに時杜の力があれば、私の力関係なく色々過去を渡れるかもしれない





「ちなみにこの赤色の空間は?」

《周りに見えない様になっています。僕らは未来から来ています。もし何かあって未来がおかしくなってもいけないので…》

「その気持ち、良く分かるよ」






私は腕を伸ばして時杜に触れ、そのまま時杜を自分の肩に乗せる

時杜はびっくりして私を見るが、嬉しそうに笑った





《覚えていてくれたのですね》

「正確には思い出した、が正しいけど。ちなみに頭は黒恋、腕は白亜なんだ」

「「ブイ!」」






私の言葉に元気良く返事を返す白亜と黒恋。そしてよじよじと私によじ登り時杜に挨拶をする

時杜はニ匹の姿を見て、嬉しそうに微笑む






《あの卵が無事、生まれてくれたんですね。…良かった、本当に。これからよろしくお願いします、白亜様、黒恋様》

「「ブイ!」」

「…え、様??」

《はい、僕らにとって目上の方なので。蒼華もお二人には様付けで呼んでいますよ》

「…」

「え、えぇぇぇええ…」





…まさかポケモンに階級性が存在するとは←

気になる。まだ詳しくは思い出していないから事情は良く知らないけど、一体君達はどんな関係なんだ。しかし蒼華までニ匹を様付けとは意外だ、本当に意外だ。…もう何も考えないぞ私は。心を広く持とう私←






「さて、此所に立っているのもアレだから、早速行きますか。時杜、出来るね?」

《はい、任せて下さい。行き先は元セキチクシティのジムリーダー、キョウ――彼が見つかったら、ミリ様は人を寄せ付けない為の力を発動をお願いします》

「了解。行くよ、皆!」

「「ブイ!」」

「…」








世界がまた、歪んだ






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