庭先で白亜と黒恋とキレイハナとモジャンボが仲良く戯れているのを背景に、差し出された美味しい茶菓子を口に含みながら(こら)早速私は本題に入った





「まず、どうして白亜と黒恋がロケット団の研究所にいたのを知ってたの?」

「今から三年前と一年と半年。…約四年前、ですね。ロケット団解散のシルフカンパニー事件のちょうど一年前、偵察として侵入調査をしていた者が研究所に珍しい白と黒のイーブイがいると報告をしてきましたわ」





こちらが、その調査表です。とエリカはパンパン!と手を叩くと襖がいきなり開き、そこには大量の調査表を抱え込んだ一人の女性が

…何も、つっこまないぞ←





「エリカ様、持って参りました」

「ありがとう。では四年前の白と黒のイーブイの記録をお姉様に」

「承知しました」

「…(゜゜;;)」






おー、すごい

プロがいるぞプロが


知的な女性(眼鏡が似合う)(流石タマムシ)から大量の調査表から抜擢された約数枚の紙を受け取る

ペラペラと捲っていくと、結構事細かく記載されていて、おいおい内部の人より詳しくないかとびっくりしてしまう





「一つの研究に必ず一人は着く様にしました。そのイーブイの件は珍しい事もあって注意深く調べる様に命じておきました。こうして役に立てて光栄です」

「…日付まで書いてある…白亜と黒恋がロケット団に連れて来られてから、記載が始まってる。マチスさんやナツメに話は聞いたけど、ここまで詳しくは聞かなかったよ」

「それもそうでしょう。あの二人…いえ、キョウも含めた三人は三幹部、サカキの直属でしたから、研究を指示しても内容までは大まかには把握出来ていなかったのでしょう」





たった数枚の紙だけど、ずっしりと重い。これはエリカの仲間達が心身を削ってまで記してくれた大切な物

本当に有り難かった





「ロケット団の内部についてはこの者が一番詳しいですわ」

「申し遅れました、私の名前はシオリと申します。ロケット団の内部の侵入調査長を勤めさせて頂きました。質問は、このシオリが」

「はい、シオリさんよろしくお願いします」





シオリさんは「こちらこそよろしくお願いします」と頭を下げる

黒斑眼鏡とキリッとした青い目にスーツをピシッと着た、多分エリカの秘書の方じゃないかと思う。ポケモンは持っていない所を見るとどうやらトレーナーじゃないみたいだ





「では次の質問を」

「はい」

「"ナズナ"という者について、色々聞きたい事があります」





マチスとナツメから聞いた白亜と黒恋を連れてきて、今レンが調べようとしている張本人

受け取った数枚の調査表からは「研究員長」として名前が沢山あるが、本人自身については書かれてない






「ナズナはイーブイの研究のチームリーダーとして研究に携わっていました。当時のロケット団三幹部のマチスの補佐、同時に首領サカキの補佐をしつつ他の研究の手伝いをしていましたが、イーブイを見つけ、研究のリーダーとして腕を奮う様になりました」

「…サカキの補佐?」

「ナズナは三幹部と同じ位の実力を持っていました。しかし研究に携わりたい、という本人の意思で補佐に身を納め研究所に足を運んでいました。彼は頭の回転が速く、回りからは一目置かれていました」





周りから信頼された存在…頭脳明晰、しかも実力もあれば確かにロケット団では主力として扱われる訳だ

そんな人に二匹は目を付けられちゃった事になる…





「性格は冷静沈着、物事にも動じなくもくもくと研究に没頭していた、と記録にはあります。あまり自分をさらけ出す事はせず一歩距離を置いていたそうです」


「そうですか…では最後の質問





彼が逃走した理由を」









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