「黒恋お疲れ!…にしてもすっごい汗びっしょだね。白亜は服を破れちゃうし、やっぱりバトルに服はいけないよ。白亜、そのグレイシアのままでそばにいて涼ませてあげて」

「シー」

「ブーイ〜」





汗だくで疲れ果てる黒恋のそばにグレイシアのままの白亜が近付ければ、冷気がひんやり気持ち良いのか腹を出してゴロンと横になる(だから君は猫か

私は微笑みながら二匹の頭をそれぞれ撫でた後、立ち上がる。視線を向けばそこにはエリカで、満足そうな顔でこちらを見ていた





「まさかあそこでミラーコートは考えていませんでした。考えてみればそのイーブイは数多の数の技が使えると聞いています。…流石ですお姉様、図鑑も無しにポケモンの知識も広くて…しかしどうしてミラーコートを?」

「にほんばれをしてきた時点でソーラービームをしてくるのは目に見えていたからね。逆ににほんばれを利用して炎タイプで攻めるのも良かったけど、こっちが確実に勝てると思ったんだ」

「まぁ、先読みされていたのですの?感服いたしました。このレインボーバッチはあなたに相応しい…是非受け取って下さい」

「ありがとう」





エリカから、レインボーバッチが手渡される。お花の形をした七色のバッチが、キラーンと光る

本当にエリカらしい、いや、タマムシジムバッチらしいと思う。私はバックからバッチケースを取り出して中を開く。その中にカチッとはめ込めば、合計五個のバッチが





「タケシさん、カスミ、マチスさんにナツメ、そしてエリカ」

「後はセキチクのアンズと今はふたごじまのカツラ、そしてトキワシティのグリーン、ですわね」

「うん」






パタン、バッチケースの蓋を閉じてバックにしまう

着々と私達は進んでいる

…まだ先の事だけど、バッチをゲットしてグリーンに勝った後の事も、考えないと






「戦ってみて核心しました。あなた達は強くなります。きっとすぐにでもバッチを完成する事が出来ると私は思います」

「フフッ、なんかエリカにそう言われるとそんな気が起きちゃうよ」





皆さん私を褒め過ぎ←

いやんそんなこと言われたら私マジで調子こくからやめて(うぜぇ







「何かあったら私に言ってくれれば、私の出来る限り手助けをさせてください。…そのイーブイ達についても」

「…色々情報が欲しい。エリカは情報収集が得意って聞いている。…今から、大丈夫?」

「もちろんですわ。なら今から私の家に案内します。ポケモン達の回復も兼ねて、その時に」

「お願い、エリカ」






マチスやナツメから色々聞いた

それでも情報のピースは足りない

エリカが何処まで知っているか分からない。幹部の二人が分からない事を内部の人じゃないエリカに聞いても果たして情報を得れるかどうか分からない

しかし外部の情報もまた違った意味で必要になっていく。それが吉と出るか、凶と出るか







「(そういえばレンは無事グレン島に着いたのかな)」







こんな時に浮かんでくるのはレンの優しい笑顔

…おいおいどっかの恋する乙女じゃないんだから私。しかしレンのデコピンは普通に痛かったなぁ(え





「(しかし本当…レンと一緒に居ると安堵感が起きる。しかもどうしてレンに限って私は純粋に信用出来るんだろう…)」





味方が多くても、敵が多い

数多な世界を巡ってそれは嫌と言う程理解した。仲間を作っても何かあるか分からない、何時裏切られるか分からない。人を味方につけても信用するな。そう、教えられた

私自身そんな経験はなくても、【昔】を生きた【異界の万人】の【私達】は経験して、簡単には人を信じなくなっていった。昔の私は今の私、私も心の何処かでは人は人、私は私と区切りがついてしまっている(もう、しょうがない事だと自負している


けど、レンは違う







「(レンの事は好きだ。でもそれはライクであってラブじゃない。それに暗黙の了解がある…分からないなぁ、もう)」





私は頭からレンを外して、白亜と黒恋をボールに戻して、エリカの家に行く為にエリカの後を追った






(私達の暗黙の了解)(それは、愛する人を作ってはいけない)


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