シングルバトル、考えてみれば初めてかもしれない。バトルする時は対外ダブルバトルだったから、初めてのシングルバトルはちょっと不安かな。でもトレーナーならそんなの関係ないよね





「出てきなさい、キレイハナ!」

「まずは白亜、よろしく」

「ブィ!」




エリカから投げられたボールから可愛いらしいポケモン、キレイハナが出てきた。小さな身体を踊らせて登場してきたキレイハナは元気良く鳴く

対して私は白亜を繰り出す事にする。白亜はヤル気満々だと駆け出して行くが、……あぁ、服が汚れる←

やっぱりちょっと邪魔そうだ





「ではこれよりタマムシジムリーダー、エリカVS挑戦者ミリとのバトルを始めます!試合開始!」

「白亜、でんこうせっか!」

「躱しなさい!やどりぎのたね!」

「ブィ!」

「ハナ!」




私の指示で白亜はキレイハナに駆け出す。突進してくる白亜をキレイハナは可憐に避ける

そのすぐにキレイハナは白亜にやどりぎのたねを試そうとする。あれは厄介だ





「かげぶんしん!」

「ブィ!」

「ハナッ!?」





キレイハナの回りを囲む様に白亜が大量に出現する。大量に現れた事で標的が反れ、本物の白亜を探そうとキョロキョロと慌てて見回すキレイハナ

エリカは指示を繰り出す





「マジカルリーフ!」

「ハナッ!」

「シャドーボールで相殺!」

「ブィ!」





キレイハナの回りにキラキラ輝く不思議な葉っぱが現れる。葉っぱはそのまま真っ直ぐ――分身ではない白亜を中心に、数多の葉っぱが白亜を襲う

マジカルリーフは回避力を最大にアップしても必ず命中する技

私はすかさず白亜にシャドーボールを命じる。結局は避けられないので、避けれる手段はこうして相殺しなくちゃならない。かげぶんしんのまま白亜がシャドーボールをすれば、影たちも同じ様にシャドーボールを行い、マジカルリーフとシャドーボールは相殺された





「うーんシングル初めてだから本調子まではいかないか…やっぱり主な理由がそのドレスを気付かないで庇っているから戦いにくいみたいだね、白亜」

「ブィ…」

「考えましたね…かげぶんしんでシャドーボール。かげぶんしんと言えど、実体を持ちます。…テレビや話で聞いた通り、シングルだけでも十分な実力をお持ちですね、そのイーブイ」





エリカから褒められるのは嬉しいが、さて…どうしたものか

これがダブルバトルだったら白亜が相手を翻弄させて、黒恋が疲れた所をとどめをさすのが打倒だ。しかし、シングルだと技の追加効果(レンと一緒に戦った時みたいに)は出来なくなるし、バリエーションも減ってくる。"完璧勝利"が私のモットー…今回は、"魅せる"戦いは考えない方がいいかもしれない

しかもあのドレス服着た状態で戦ったら埒が明かない。精神的にも負担がかかるし、何せ動き難い。ここは早急にも対処しないと





「テレビで拝見しました。そのイーブイ…進化、が出来るそうですね。どうして進化なさらないのです?」

「フェアな戦いがしたい、そう前にも言ったはず。後は何かあった時の最終手段、と言うべきかな」

「ブィ」

「…そのイーブイ、そしてもう片方のイーブイ…ロケット団の研究所にいたという話は本当ですか?」

「…!」






どうして、それを


…いや、エリカは知っていて当たり前かもしれない。スペのエリカはロケット団を追ってい…て?(記憶曖昧)、レッドのブイを助けようとしたんだっけ。そこで色々調べていたら、白亜と黒恋の存在も出てくるのは明白で










「――なら話は早い。でも最初に言っておく。この子達の能力…ロケット団の実験で得た物かと思うけど、」





パチン!


私は指を鳴らす


ピカァア!っと、白亜の身体が光始める








「それは違う。この子達の力は正真正銘、生まれ持った力――ただ、ロケット団の実験で鍵を開けただけに過ぎないのよ」

「っ、これは…!」







光が収まり、そこにいたのは真っ白い毛並みを持った、グレイシアの姿

進化した白亜は、綺麗なダイヤモンドダストをはためかせながら「シー」と鳴いた







「作戦変更。色々エリカに聞きたいから、はっきり言って時間が惜しい。此所は早急に勝たせて貰う。白亜、ふぶき」

「シー」

「Σハナァァア!」

「キレイハナ!」






グレイシアに進化した白亜から繰り出されたふぶきは、ミスる事なくキレイハナに直撃。キレイハナはふぶきをモロに食らい、吹き飛んだ

効果は、抜群








「キ、キレイハナ戦闘不能!え、えーっとイーブイだけどグレイシアの勝ち!」

「シー」






エリカには悪い事をしたけど、これも立派な戦術

環境で進化するグレイシアにも無事進化出来たなら、きっとリーフィアにも進化出来るだろう。ちょっとエリカに感謝だ






「白亜お疲れ。…あー、やっぱりイーブイの服のサイズでグレイシアになると流石に破れちゃうか」

「シー…」

「大丈夫、これ位後で直せるから」





グレイシアのままの白亜の頭を撫でる。氷タイプなのか、ひんやりして気持ちがいい

エリカに視線を向けば、キレイハナを戻し次のボールに手を掛けていた







「流石ですね。進化とはいえ、対処出来なかったのは私の責任。…最後のバトルに入ります!」

「さぁ、次は黒恋よ」

「ブイ!」










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