「エリカさん!この桜色の着物も似合うと思いますよ!是非これも!」

「あ〜ら、ダメよ!エリカさん、着物も似合うと思いますけど、こういったカジュアルで大人の魅力を上げる服もいいと思いますよ!」

「何を言っているの!こんな美少女にはメイド服を!そしてエリカさん限定のメイド様を!」


「あらあら、駄目よ皆さん」

「「「エリカさん!」」」



「喧嘩はいけません。さぁ、一つずつ丁寧に着させましょう。満足出来る服を着させる事が今の私達の使命ですからね」

「「「はい!」」」



「…誰か助けて」





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――――
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「結局君達が暴走してどーするんのさ。見なさい!もう空はすっかり暗くなってるよ!ちったぁ反省しなさいこのお馬鹿ちゃんがぁ!」

「すみません…」

「……すまん」

「ごめん…」

「ごめんなさい…」

「クッ…お馬鹿ちゃんがぁって…緊張に欠ける台詞だなぁ。ハハハッ!にしてもお前のゲンコツ地味に痛ぇ」

「くぉおらそこっ!呑気に笑うなレン!…ってレッド!アンタも密かに笑うなぁ!サトシ君もコラァァア!」







四人がバトルを開催してから…時は無情に過ぎ去り、空はもう夜になってしまっていた。レッドとグリーンはレンをブっとばしたいが為、サトシとシゲルはそんな馬鹿兄貴達を止める為、レンはぶっちゃけ楽しんでいるだろうそのバトルを、流石に止める事にした私

…いやぁ、なんだろう

戦い方が本格し過ぎて、絶対普通のトレーナーだったら太刀打ち出来なかったに違いない(ド○ゴン●ールのあの肉弾戦を見た気分だった。凄かった

ので、夜になり過ぎる前に(辺りがカオスになる前に)白亜と黒恋に最大噴射の火炎放射を浴びさせ、皆が驚いて止まった隙を見てゲンコツそれぞれ一発落す(加減忘れて凄い膨れ上がったなんて気にしない)。痛がる皆の首根っこそれぞれ掴んで座らせた私は本当に良くやったと思う





「「ブィブィ!!」」

「ピッカ…」
「エレ…」
「ウキィ…」
「ブィ…」
「グラー…」





視線を逸らせば、白亜と黒恋が四人のポケモンの前で私と同じ様にやっている姿を見た時はニヤニヤが止らなかった(可愛い…!四人のポケモン達が正座して説教受けている…!





「なんつーか、」

「瞬間、だったな」

「速過ぎて見えなかった」

「あれ絶対慣れているって」

「てか痛い…」

「鬼だな。般若が見えた」

「聞こえているからね君達。もう一度欲しいって?んもう、しょうがない子達だ事。ほら、もっぺん頭かせや」

「「「「すんませんでした!」」」」

「面白いなぁ、見てて」

「レン、アンタ呑気に見ている立場じゃないはずだけどね」

「そこは大人との差だな」

「…のわりには大人げなかったよ」

「……フッ」

「(…鼻で笑ったぞこの人)」





さてさて、こんな冗談を言っている間にも空はどんどん暗くなっていく。何処からかホーホーの鳴き声が聞こえ始め、街の方角の方を見れば綺麗な灯りがそこを明るく照らしていた。なんとも綺麗な景色だ事

あ、一番星見つけた←

流石に五人もそろそろヤバい事に気付いたのか動き始めた。まず最初に動き出したのはレンで、準備してあっただろう自分のバックを肩に掛けながら振りかえるように口を開く






「とりあえず俺は行くぜ。こんな時間になっちまったが、トゲキッスに乗ってけばなんとかなるだろうな」

「俺達もそろそろ行くぞ。シゲルとサトシの明日もあるからな」





レンに便乗する様に今度はグリーンが口を開いた。もう邪険する気はないらしい。ちょっと安心。グリーンの言葉にサトシとシゲルは「「はーい」」と元気に返事を返す。「あーあ、せっかくミリに会えたのに」と零すレッドにグリーンはレッドの頭を叩いた。その姿に私は苦笑を零した

「そうだね。でもまた会えるんだから、今度は皆で時間があったら色々遊ぼうよ。道は一緒なんだから」

と言えばレッドは「そうだな!」と照れくさそうに笑いながらレッドは言った。うん、その姿が可愛いと思っちゃうのはしょうがないとして。レッドに近づき腕を伸ばしてポンポンと帽子の上から頭を撫でてみると、一瞬驚いた表情を見せたレッドだったが、すぐにレッドらしい笑みに変わり、私の心がキュンキュンした(日本語おかしい

後ろではキレかけのグリーンの首根っこをつかんでいるレンの姿があったなんて私は気付かない(その時シゲルは代わりにグリーンを止めてくれたレンを見直したらしい←






「ミリさん、今日はありがとうございました!」

「ピッカ!」

「シンオウ地方に戻る前にミリさんに会えて、しかもバトルも出来て本当に良かったです。今度は負けません!」

「二人共、向こうに行っても頑張るんだよ」

「「はい!」」





ここに来る前の世界で途切れ途切れであってもアニメは見ていた。今は何処まで進んでいるかはわからないけど、二人には本当に頑張ってもらいたい

コロシアムの時みたいに抱きつく事はしない。今回は握手をして、また再開出来たのであったら、その時は遠慮なく抱きつかせてもらおう

そう言ってやったら二人はかなり驚いた様で、可愛いことにすぐに顔を赤くした。初いなぁ、そう笑っているとすぐに二人は元気よく返事を返してくれた。ちょっと意外だった。可愛いけど

(二人も結局男の子←)







「ミリ、お前もジム戦頑張れよ。俺はいつでもお前の挑戦を首を長くして待っている」

「すぐにでもそっちに行くよ、グリーン。私達のコンビネーション、覚悟してよね」

「フッ、肝に命じておくぜ」





今度はグリーンと握手を交わす

グリーンとは本当に戦ってみたかったのもあり、私は彼の所まで俄然行く気満々だ。それまではグリーンとは一度おさらば。再開した時は絶対にバッチが七つ揃っている事に間違いない

その飄々とした綺麗過ぎる顔を全身全霊を込めて叩き潰してやるんだからね、ふははは(やめろ






「ミリ」

「レン」

「またな。何かあったらすぐに連絡くれよ。俺も何かあったらお前に連絡するから電波のいる場所にいてくれよ」

「了解。レンも気をつけて」

「あぁ」





最後はレンと握手を交わす

レンの事だから、情報の為なら何処へでも飛んで行くのかもしれない。自分の為に、私達の為に。そして、レンの探し出す情報の中に白亜と黒恋の事、…最悪私達【異界の万人】の情報が入ってくるかもしれない。白亜と黒恋は、重要な鍵になっている事は明白で

レンは、一体何の為に動いているのか。…深くは詮索しない、そう決めた。私はレンを信じているから

…でもこれだけは言いたかった









「深く知ると身を滅ぼす」

「!」

「…無茶、しないでね」

「…あぁ」






レンの瞳が鋭く光り、そして歪んだ

私はその瞳の光に、気付かない振りをした






「(そう、お願い)」








【万人】の闇に、踏み込まないで



























「トゲキッス!」

「飛べ!リザードン!」

「行くぞプテ!」

「頼むぜムクホーク!」





それから皆は自分達の持つ飛行タイプのポケモンを出すとそれぞれポケモン達に跨がり空を飛んだ

プテに掴まれたレッドとムクホークに掴まるサトシ(に掴まるピカチュウ)、リザードンに乗ったグリーンとシゲルに、トゲキッスに跨がるレン。それを見上げる私と白亜と黒恋

白亜と黒恋は小さい手で彼らに手を振り、私も大きく手を振れば、皆それぞれ手を振り返してくれた

それから東の方向、西の方向と、二手に別れて皆は夜の彼方に飛んで行った。レッド、グリーン、サトシ、シゲルは故郷のマサラタウンへ。レンはグレン島へ



ふう、と私は息をついた






「一時はどうしようかと思ったけど、結局皆仲良くなって良かったかな」






たまにはこんな日もいいかもしれない


私は笑った






「さぁ、二人共。明日はジム戦だから気合い入れるよ!打倒タマムシティジムリーダー!ちゃちゃっとぶっ倒してレインボーバッチ、ゲットだよ!」

「「ブィ!!」」







さて、戻りますか






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