「…なーるほどな」 レンはポツリと呟く 「あの目は…何かを見つけたんだな」 ――――――――― ―――――― ―――― ―― バサァッ、プテラの羽音が響き、風が生まれる 四人とそのポケモン達の丁度真上には、プテラに肩を掴まれて飛んでいるレッドの姿があった。光の加減なのか、それとも錯覚なのか、レッドの顔は影かかかっていて、背中に見えるプテラの翼が何かを連想させた 「レッドさん、だよね。アレ、まだ時間じゃないよね?連絡だって入れていないはずだし」 「どうしたんだろ。…おーい!レッド兄さーん!」 サトシとシゲルがレッドに手を振る しかしレッドはそれには答えないで、ただある所を見つめていた そう、それは 「(レッド…、まさかすぐに会うなんてね)」 ミリだった レッドの目がゆっくりと動きサトシ、シゲル、レン、そしてミリに向けられる。サトシとシゲルは困惑気味に、レンは何かあるなと見上げ、ミリは無表情でレッドを見返した その時だった 「悪い、ちょっとの間ミリを貸してくれ」 「っ!」 「兄さん!?」 一言、そう言ったレッドの行動は速かった プテラはものすごい速さでまっすぐに急降下していき、誰もが予想しない行動に戸惑っている中、レッドは腕を広げてミリを抱き締める。ミリがびっくりしているのをよそに今度はプテラは急上昇。ミリはレッドに抱き締められる様に、ポカンと下にいる皆を見つめていた。皆からは一瞬の出来事で、皆もポカンと見上げていた 「ああああ!ちょ、レッド兄さんんん!?」 「「ブイブイ!」」 「へぇー、サトシ見てみなよ。下のアングルからでも下着が見えないってすごいね」 「Σ何処見てんだよ!?///」 サトシ、シゲル(?)、そしてポケモン達がアワアワと慌てふためく 白亜と黒恋はムクホークとグライオンの背に乗って、ミリを救出にかかる。ムクホークとグライオンは二匹に答える様に飛び立ち、レッド達がいる所まで向かった 「ブィ!」 「ムクホークッ」 「ブィブィ!」 「グライオン!」 「悪いな、俺達大事な話をしなくちゃいけないんだ」 「レッド…」 「ブイブイ!」 「ブイイイ!」 「行ってこいよ、レッド」 声を上げたのは、レンだった 「「レンさん!?」」 「別に良いだろ?ちょっと話をするくらいだって言っているし、取って食う訳でもないんだ。急な話でも出来たんだろうな。行かせてやれ」 「…俺、アンタを見直したよ。レン」 「レン"さん"だ。年上を敬え。白亜、黒恋、降りて来い。…サトシ、お前らのポケモンに指示出せ」 「あ…はい。ムクホーク、グライオン!」 サトシの指示で従わざるおえなくなったムクホークとグライオンは、プテラを気にかけながらゆっくりと降りていく。背中に乗っていた白亜と黒恋はミリを気にかけながらもレンに従った ムクホークとグライオンから降りた白亜と黒恋はトコトコと駆け寄り白亜はシゲル、黒恋はサトシの頭の上に飛び乗る。サトシとシゲルのヒキガエルを潰した声が聞こえたのは置いておこう 「んじゃ、ミリ借りるからなー!」 「え…ちょ、あらーー!!?」 ギュン!そんな効果音を出しながらレッドはミリを抱えて音速の速さで飛び去って行った。ミリのツッコミならぬ叫びの声が余韻に残して サトシが真っ青な顔で、「誘拐にまで手を出しちゃいけないからあああ!」と頭を抱える姿をサトシのポケモン達は慌てて止めにかかり、頭の上にいた黒恋はベシッベシッと叩いていた。シゲルは「兄さんはそこまでしないよね…?」と自分の従兄弟の将来が心配になっていく中、頭の上にいる白亜もベシッベシッと叩いていた。シゲルにはそれが「ドンマイ」と聞こえて、はぁ、と大きな溜め息をついた 「青春だな…」 一人レンは呟いた → |