「…レッドがいない?」 「ゴメンねグリーン君。うちのレッドったら倒れたと思ったらすぐに出て行っちゃって…せっかくご飯用意したのに、お腹が減って倒れなければいいんだけどね〜」 「(何かあるな…)」 レッドがタマムシティに着くまで後少し。グリーンがタマムシティに行くまで後少し ――――――――― ―――――― ―――― ―― タマムシティの町中から少し離れた場所にたくさんの集団が集っている。人はぐるりとそこを囲み、声援を送る者、興味津々で観戦する者、又は黄色い声を上げながら興奮する人様々だ その場所は誰もが気軽に戦える様に作られた野外のバトルフィールドだ。トレーナーが多いこの場所はバトルをするにはもってこいの場所だ 「試合形式はダブルバトル。使用ポケモンは二人組むなら一体ずつ、一人なら二匹までだ。それぞれ戦闘不能になったらバトル終了だ」 フィールドの真ん中、被害がかからない場所で審判役を勤めるレンが言う。レンが一言言ったり身振りをする中で、後ろの群衆の特に女の黄色い声が上がる レンの言葉に、フィールドに立つトレーナー、サトシとシゲルは元気な返事を返し、ミリは静かに頷いた カチャッと手にするのはそれぞれ自分達のポケモン。先程まで騒いでいた群衆達は静かになり、固唾を飲んで見守る 「先攻はお前らからだ」 「ハイ!行けピカチュウ!」 「ピッカ!」 「行ってこいブラッキー!」 サトシはピカチュウを シゲルはブラッキーを ボールから元々出ているピカチュウは元気いっぱいにフィールドに走って行く。シゲルのボールから出てきたブラッキーも元気良く鳴き声を上げると、ピカチュウの隣に並んだ 「俺達はコイツらで戦います!」 「ピッカ!」 「ブラッ!」 「ピカチュウとブラッキーか…。ミリ、次はお前だ」 「了解」 待っていましたと言わんばかりに集団が騒ぎ立てる。此所でも既にミリの名前と姿は有名だった。此所にいる集団は全員がミリの姿やバトルが見たいが為に集まったと言ってもおかしくはなかった ミリはいつもと同じ様にボールを出す。指を鳴らした後、両方の手を左右に広げて握り返せば、白と黒のボールが現れる。その姿を見てまた歓声が上がる。サトシは「すっげー!」と声を上げる。シゲルも関心しながらそれを見ていく中、ミリはボールを高々と投げた 「真白き光、漆黒の闇! 白亜、黒恋! Dancing like the butterfly!」 空中でボールが開かれ、白と黒の淡い光を放ちながらそれぞれ白と黒のイーブイ、白亜と黒恋が姿を現す ブィ!と可愛い鳴き声を放ち、それぞれ目の前の敵を見据えて構える。一度顔を見合わせた事のあるピカチュウとは「ピカ!」「「ブィ!」」と挨拶程度に言葉を交わすだけで、後はもうバトルモードに入っていた 「遂にミリさんとバトル!頑張ろうぜピカチュウ!」 「ピッカ!」 「ブラッキー、ピカチュウに遅れをとるなよ!」 「ブラッキー!」 「準備はいいね?白亜、黒恋」 「「ブィブィ!」」 「互いに準備はいいな。よし」 レンは此所にいる全員に聞こえる様に声を張り上げた 「これより、サトシ&シゲルVSミリによるダブルバトルを開始する! それでは、始め!」 歓声が沸き起こった → |