「ミリさん、そういえば友人と一緒って言ってましたけど、その友人と一緒じゃなかったんですか?」

「あぁ、ここに着いた時に一旦別れたよ。すぐにでも来るんじゃないかな?」



「(おい、シゲル)」
「(何だいサトシ)」
「(もしかしたら…)」
「(あぁ、もしかしたら…)」



「二人は多分会った事あるかな?レン、ていうトレーナー。確かレンから話を聞けば会ったって聞いたから、分かるかな」


「「(ビンゴ!!;;;)」」




レンと言うトレーナーを忘れていないサトシとシゲル。いや、忘れる筈がない

フラリとエルレイドを従えて現れた青年。自分の従兄弟の顔を見ていきなり『マサラ名物』と称して二人の頭を引きつらせた男。カスミやハナコがポッとする位のイケメンオーラを醸し出し、挙句の果てにはグリーンの堪忍袋をぶちきらして、ちょっと(かなり)危ないポケモンバトルに勃発しかねた、ちょっと二人の中では大変な思い出になった出会いをしでかしたレン

印象はそれほど悪くはないが、自分の従兄弟を手の上に踊らせる様にからかう姿を見せられると、ちょっと評価が落ちてしまう。シゲルに至っては、『レン』というキーワードを出すだけでグリーンのブラックオーラの被害を受けている為、抵抗に近い物を感じてしまう

二人の表情を見てミリは呆れた様な苦笑をする。どうやら二人の表情が分かりやすかったらしい




「その顔はやっぱり良い印象ではなかったみたいね」

「えぇ…。まぁ、はい」

「…逆にママとカスミは好評ですよ」

「ピカ…」

「カスミからとりあえず大まかな話は聞いたけど、一体レンは何しでかしたんだか。ごめんね、彼あれでも良い人なんだよね」

「あれでもって何だあれでもって」

「「Σ!?」」





サトシとシゲルの丁度真後ろに、噂の元凶であるレンの姿があり二人は叫びにならない驚きの声を上げる

ミリは既に気付いていたらしく、ケラケラと笑っていた。レンも面白そうに笑うと、目の前の二人の頭をガジガジと掻き回した。二人は目を白黒させてされるがままの姿にミリはまた笑った




「良い物はあった?」

「あぁ、お陰様でな。この二人は確かあの時いた少年達だったな。名前はサトシとシゲルとピカチュウか。久し振りだな、元気だったか?」




レンは言って二人から手を放すと、ミリの隣に腰を下ろす

シゲルは渋そうな顔でレンを半端睨み付ける様に口を開いた




「あれ以来ウチの兄さんがあなたの名前を出すたんびに荒れてますね」

「悪い悪い、からかい過ぎたか。ま、その話だとグリーンは息災だな」

「はい、お陰様で」

「(あー、シゲル本当にドンマイ)えっと…レンさん、お久し振りです。俺達は元気にしてます!」

「ピッカ!」

「あぁ、元気そうで何よりだな。買い物から戻って来た時見知った顔ぶれがあったから驚いたぜ。何時からいたんだ?」

「ついさっき。立ち話もなんだからここに座って色々話していたんだ」

「なるほどな」

「…本当にレンさんとミリさんは知り合いだったんですね」

「嘘かと思っていたのか?残念だったな、一緒の部屋で一日を過ごした仲…いや、夜を共に過ごした仲というべきか」

「よ、夜を…!?」

「共にぃぃい!?////」



13歳の子供にはあまりにもダイレクトな言葉に二人はそれはそれは顔を真っ赤に染め上げて口をパクパクとする

その顔を待っていたのかいないのか、レンはあまりの面白さにとうとう吹き出した。その隣でミリは呆れた様に溜め息を吐いた




「クッ、こいつらウケるぜ。刺激が強過ぎたか。まだまだ餓鬼だな」

「「Σんな…!?/////」」

「からかうのもほどほどにしなさいよ、レン」

「悪い悪い。可愛い奴等程からかいたくなるってもんだぜ」

「それ好きな人程からかいたくなる方式だから。シゲル君、サトシ君安心して、確かに部屋は一緒だったけどそんな関係じゃないし」

「ダイレクトに言われるとちょっと傷つくな。まぁいい。お前ら考えろ。部屋は一緒なのは何処のセンターに言っても変わらないぞ。お前らが想像しているのかいないのか分からないが、そう言ったモノはないから安心しろ」

「「……///(汗」」







正直レンの言葉は嘘か本当か分からないサトシとシゲルだった






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