「よぉ、起きたか」 「…おはようございます」 「あぁ。二度目のおはようだな」 夢ならぬ、過去への旅から帰宅し目が醒めれば、目の前にはレンの銀髪の髪。頭を上げるとレンの肩に、レンのべらぼうなイケメン顔。どうやら私はレンの肩を借りて寝ていたらしい 「あらー、まさかの役得」 「こっちも役得だな」 ちょっと本音ポロリすれば、レンはニヤリと口元に笑みを向ける。私は苦笑しながらレンから頭を浮かせた レンの手には本が握られていた。きっと私が寝てて暇だったから読んでいたんだろう 「何分寝てた?」 「15分位だな。俺はまだ寝て貰っても構わなかったけどな」 「あら、ならもう少し寝ようかしらね〜」 「いくらでも貸してやるぜ」 そんな冗談を言いながら私は立ち上がって背伸びをする。深呼吸をしながら空を見れば、まだ真っ青な雲一つもないカラッとした空だ 「(今回はレッドか…)」 私は力の影響と不安定によって勝手に力が発動して、自分の意識が別の所へ飛んでしまう事がある。幽体離脱に近いものがあるが、あれはまた違う。私の場合、意識離脱した後何故か過去へさかのぼって行ってしまう。その世界の中の物語の過去だったり、漫画やゲームの主要キャラクターの過去だったり様々に。ま…それが吉だったり凶だったり色々あったけど、今回の過去巡りの夢旅は、レッドだった。…あれはまぎれもないレッドだ この力でややこしいのは、これが実際に有った事になっている事だ。初めて会った人は、私の事を覚えているが、私はその人とは初めて会う訳だから知らねぇよバカヤローになる。その人はあーだこうだと色々言うがマジ知らねーよとスカイアッパーを一発。だけどそこで力が発動して過去に巡ると、その人が言った通りに話が進んでいく。納得する分が多々あるが、正直目覚めが悪い 今回は、まさにそれだった だったらレッドが初めて会った時に問い掛けた意味も頷ける。どうやらレッド自身昔の事だからあまり覚えていなかったみたいだったけど。…それが幸いだった気もする 「どうやら良い夢じゃなかったみたいだな」 「え、何で?」 「違うのか?」 「…んー、何だろうね」 はぐらかす様に笑えば、レンは「なんだそりゃ」と言いながら私に一発でこピンを食らわす ちょっと痛かったぞ← 「んじゃそろそろ行くか。今行けばすぐだ。飯でも食ってデパートに行って、それから解散だな」 「…そうだね」 「何だ?寂しいのか?」 「あーあー寂しい寂しい。レンがいないと寂しくて死んじゃうよ〜」 「よし、もう一度デコだせデコ」 「あはー遠慮願うぜ」 でこピンを構えるレンに笑いながら逃げれば、レンは苦笑をする。私は自分の荷物を手にすると、レンも自分の荷物を持った 「んじゃ、行くか」 「えぇ」 私達はタマムシティに向かった (彼らが再会するまで)(あと少し) |