「なぁ、その水色のボールは新しいポケモンか?」

「流石はレン!分かっているじゃん。新しいっていゆーか、…(結構昔の)手持ちだったポケモンとまた旅をしようってね」

「なら結構強いんだろうな、そのポケモンは。何のポケモンだ?」

「ひ・み・つ」

「…俺じゃなかったら一発でイチコロだな。その台詞とその笑顔は」





レンの言っている意味はよく分からんが(無自覚)、だって普通に「スイクンだよ」なんて言ったらかなり驚かれるのは目に見えているし(その時レンは私の無自覚さに呆れて溜め息をついていた

そもそも私の狙いは色違いのスイクンである蒼華を見た瞬間の皆の顔が見たいんだぜうふふ←





「レンは?てゆーか私レンの手持ちがすっごく気になる。エルレイドはさっき見たから分かるけど」

「ひ・み・つ、だな」

「レン、今の台詞と言い方は世の中の女性を味方に出来るよ」





格好いい顔して人差し指を口に持っていって色っぽい声でウインクした暁には皆鼻血吹き出しだな。ただでさえ顔がべらぼうなイケメンだから今の台詞をカスミに言ってやったら倒れるね(簡単に想像出来る

かく言う私も溜め息つきながらも顔を隠すのに必死だ

私、色んな世界を旅していても唯一慣れないのが男のふとしたこのかっこよさ(意味不明)…だぁぁあ自分で言って恥ずかしい。つまりは不意打ちでやってくる事だ!核心はともかく無自覚は恐ろしいったらありゃせんわ!←





「冗談だ。ま、秘密は秘密だな。今度バトルした時にな」

「レンとバトル、か。なんか想像出来ないな…」

「俺も立派なトレーナーだ。バトルの一つや二つはするもんだぜ」

「それで手持ちは?」

「振り出しに戻らせる気か」





だって気になるものは気になるし

そうはっきり答えれば、「正直な奴だな」とレンは苦笑を零した

丁度その時、私の耳にカタカタとリズミカルな音が小さく聞こえてきた。なんだなんだと音を探ってみれば、その音はレンの腰から鳴っていた

六個ボールが付けられるベルトにあった五つのボールの内に、一つだけ動いているモンスターボール

レンはそのボールを取り出し、真ん中のボタンを押して大きくさせる。レンの手中に渡ってもまだカタカタは止まる気配はない





「………」

「めちゃめちゃカタカタいっているね」

「………」

「もしかしてバトルがしたいとか?」

「…………」

「…もしもし、レンさん?」





ボールとまるで睨めっこしている様にボールから目を離さないレン。ボールは自然とカタカタが収まっていき、最後には止まった

レンの瞳を見れば、真剣な顔でボールと向き合っていた

まるで、ボールの中にいるポケモンと会話をしている様に――


まさか、ね






「よし」

「あ、動いた」





どうやらレンが戻って来た様です





「結局何だったの?」

「あぁ、今回のダブルバトル…コイツでいく」

「へぇ、やっぱりバトルの希望だったんだね。それじゃお互いよろしくね〜」




蒼華が入っている水色のボールをレンが持っているボールに近付けさせる

レンも私に合わせる様に自分のボールを水色のボールに近付ける

カツン、と良い音が鳴った






「良いバトルを」

「あぁ」





ポケモン達もまるでお互いによろしくと言っているみたいだった

その時だった







「噂のイーブイ使いというのは…お前の事か」

「「!!」」





目の前にシュッと現れた、ユンゲラーを従えた一人の女性

黒くて長い髪の毛を靡かせた、キリッとした目が綺麗な美人さんは、誰だと聞かなくてもすぐに分かる

ヤマブキシティのエスパータイプのジムリーダーであり、元ロケット団幹部である、あのナツメだ

テレポートで現れたのは一発で分かった


マチス同様に、ナツメを見たレンの瞳が鋭く光った気がした







いきなりの登場に危うくボールを落としそうになったんだぜ






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