部屋の中には、一人の男

男の目の前には一つのパソコンがあった。不気味に光るモニターが、暗い部屋を怪しく照らす




『次はお前の所だな』




映像に写っているのは一人の女性

女性の名前は、ナツメ





「らしいぜ。ハナダの嬢ちゃんから聞いた話によればな。もうそろそろこっちに来るはずだぜ」





映像に答えるのは、パソコンの前にいる男、マチス

口笛を吹きながらマチスは興味津々といった様に口を開く




「…ま、通り道にお前のジムがある。そっちに先に行くかもしんねーな」

『安心しろ。私の所にはまだ来ないわ。でも、そうね。私が見える未来にはすぐにでも私の前に立つ姿がある』

「だったら俺はあの嬢ちゃんに負けてるって事か?…お前の超能力には感服だ。だがそれだけは信じたくはねぇな」





マチスとナツメはジムリーダー

二人が話している内容は、最近コロシアムで優勝したミリという人物。二人はあの日、生放送を暇がてら見ていた。ジムリーダーの仕事があって席を外していた時が何度があったが、仕事が終わった二人は丁度良い時間帯で生放送を観戦する事が出来た


それは勿論、決勝戦


一人はトリデプスとカイリキーを手持ちに現れた男、名はゴウキ。"鉄壁の剛腕"と名付けられた男は誰もが納得がいく硬派な風格を持っている

もう一人は黒と白の色違いのイーブィを手持ちとした、"イーブィ使い"。ゴウキと同じ様に"聖燐の舞姫"と名付けられた女は誰もが認める程の美貌を兼ね揃えていた


それが、ミリだった






二人は彼らの戦いに釘付けになった

今までにあんな凄いバトルを見た事があるのだろうか。ただのバトルではなかったし、無意識に唾を飲み込む程二人は、いや、ジムリーダー全員、バトルに釘付けだった。マチスとナツメ、当事者のタケシとカスミ以外のジムリーダーもしっかりとバトルを見ていたため、最近ジムリーダーの中で注目な話がそれだった。あれだけの実力を持つ者が何故あのコロシアムに?、と疑問が浮上するが、ミリと是非戦いたいと思う好奇心が強かった

ぶっちゃけた話、その好奇心の一つが、とびっきり美人と出会う、会話が出来るとか、バトルして仲良くなろうと思っていたりと、色々だ

勿論二人はその中に入る訳だが、他にも二人には理由があった







「ナツメ、お前…覚えているか」

『…あぁ。勿論、覚えている






あの、対照的なイーブイを』









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