「あー…眠い…」

「「…Zzz…」」

「…」




お陰様で寝不足になりました




――――――――
――――――
―――








「おねーさん、ばいばーい!」

「ばいばーい!」

「皆、元気でねー!」






早朝、ポケモンセンターにて

センターの前には沢山のトレーナーであふれかえっていた。どのトレーナーも全員が笑顔でいて、互いに握手をしたりまた会おうと再会を約束する姿がある

その中に、ミリの姿があった

ミリは昨日出会った子供達と戯れていた。コロシアムから有名になり人気者になったミリは、他のトレーナーにも笑顔で接していた。まだ彼女にはセンターから出て行く気配は無く、トレーナー達はミリに一声かけながら次々に去って行く。勿論子供達も親に連れられ、手を振って離れて行く。子供の親もミリに頭を下げればミリも頭を下げる

皆、向かう先は一緒だった





「皆、すっごく笑顔ですね」

「えぇ、何せ二週間近く足止めされていたオツキミヤマが通行可能になったんですからね」





隣りにやってきたジョーイと一緒に、ミリはオツキミヤマの入口を見る

入口はトレーナーの人であふれかえっていた。イキイキする顔が沢山あって、ミリはクスリと笑みを零す

土砂で崩れていた入口は見事元通りになっていた






「ミリさん、ありがとうございます」

「…何を言っているか、私には分かりませんね」

「ミリさんが入口を掘り返してくれた、と私は思っています。此所にいたトレーナーを代表に私が言います。本当にありがとうございます」






笑顔でお礼の言葉を述べるジョーイを一瞥すると、ミリはクスリとまた笑い、「なら、私はその台詞を別の誰かに伝えておきます」と言ってジョーイから視線を外す。視線を外しオツキミヤマを見上げるミリを、ジョーイは何も言わずクスリと微笑み、ミリと同じ様にオツキミヤマを見上げた

オツキミヤマは昨日と何も変化はなかった


…しかし






「…あの、氷付けにされてある岩は一体何でしょうか…」

「………」







ミリは何も言わなかった






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