大きな氷の固まりになった岩は、

氷付けとなりオツキミヤマの一部になっていた






「な、何…?」






あまりの予想外な出来事に、ポカーンとしたまま地面に落下私の身体

一体、何が起きたんだ?


一旦着地してからよく見ようと、着地に専念しようとした時、何かが後ろに迫ってくる気配を感じた。敵かと思い後ろを向くよりも先に、落下した自分の体が下から持ち上げられる圧迫感を受けた





「…っ!?」





圧迫感の次には軟らかく、そしてひんやりしている居心地がいい身体


一瞬だけ、何かが流れた





―――懐かしくて

この気持ちはずっと昔から変わらなくて


―――とても綺麗で

その姿は他の魔獣とは違って美しくて


―――何故か、嬉しくて

心の何処かで再会を喜んでいた






「……ッ!」





あぁ、"また"だ


不思議な感覚と気持ちを感じ取った瞬間、ズキンと頭痛がやってきた。それと同時にグラリと強い目眩を起こした

そう、確かこの状態になったのはコロシアムが始まる前に一度だけ―――あの不思議な夢を見る前からで





「っ、まさかこんな時に最悪…」
 






ズキズキする

グラグラする


私を襲って来る痛みはかなり辛く、このままでいられないくらいのもの。正体不明な不思議なモノに頭ごとボフッと倒れた。たてがみだか分からない柔らかいものが気持ち良くて、腕と腰に何か紐の様なもので巻き付けられた感覚を受けた

朦朧とする中、なんとか頭を上げて見てみると、目の前には流れる様なたてがみに、自分を巻き付ける不思議な紐

そして大きなクリスタル



―――――え、これってまさか…?






「…スイ、クン…!?」






しかもただのスイクンではなかった





「…ははっ…」






私は力無く笑う







「まさかの…水色の色違い、そうか君が…



私の夢…いや、記憶の欠片にいた、色違いのスイクンね」









目の前が真っ暗になった






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