暖かなまどろみにのんびり過ごしていた彼らの耳に、小さくも何かの音が聞こえた








‐ Gの出現 ‐








カサカサカサカサカサ…













カサカサカサカサカサ…








ゴウキ「…?」

レン「…?なんか聞こえるな」

ナズナ「そうだな」







カサカサカサカサカサ…


カサカサカサッ


カサカサカサカサカサ…








ゴウキ「…何かが動いているな」

レン「ナズナのアリアドスじゃないのか?」

ナズナ「俺のアリアドスは今ボールの中にいる。それにアリアドスは夜行性だ。夜になれば勝手にボールから出てそこら辺で徘徊している」

ゴウキ「真夜中の不穏な音はお前のアリアドスだったのか…」






カサッ

カサカサカサカサッ





ナズナ「…………」

ゴウキ「…………」

レン「……これ、もしやアレじゃないのか?」







カサカサカサカサカサ…






ナズナ「……アレ、だろうな」

ゴウキ「俺もアレだと思う」

レン「………だな」






カサカサカサカサカサ…






レン「………」

ゴウキ「………」

ナズナ「…………」






カサカサカサカサカサッ






レン「………アレのホイホイ、買っておくか?」

ゴウキ「いや、確か台所に殺虫剤があったはずだ。アレがあればアレも死ぬ」

ナズナ「一匹殺しても他にも沢山いる。一匹だけじゃなく全部殺したほうがいい。増えてしまう」

レン「だろうな。…カツラとミリが見る前に片付けた方が良いだろうぜ。カツラはともかくミリは…あー、とりあえず殺しておいて損はない」

ゴウキ「なら早速殺るぞ」







(暫くお待ち下さい……)








カサカサカサカサカサッ



……カサッ






レン「ゴウキ!出たぞ!!」

ゴウキ「任せろッ!!」





シュゥゥーー…‥





ナズナ「…殺ったか?」

ゴウキ「いや…まだだ」





…………………カサッ


カサカサカサカサカサッ!!






レン「チッ、死んだふりか」

ゴウキ「白皇!そっちに行ったぞ!!」

レン「分かってらあ!」






スパーーーーンッ!!!!!






カサカサカサカサカサッ!!!






レン「クソッ!!」

ナズナ「まさかスリッパでやるとは…」

レン「ナズナ!行ったぞ!!」

ナズナ「ゴウキ!殺虫剤貸せ!!」






シュゥゥ………‥ スカッ






ナズナ「………!!??」

レン「オイイイ!!品切れかよッ!?」







カサカサカサカサカサッ!!!







ゴウキ「ヤバいぞ二人とも。それが最後の殺虫剤だ」

レン「マ ジ か よ」

ナズナ「…スリッパでどうにかするしかないな」






スパーーーーンッ!!!!






レン「お前…家庭の敵自然の敵が家にいるのにどうして冷静なんだよ!」






スパーーーーンッ!!!!


バシィィィィィッ!!!






ナズナ「いや、アレはロケット団時に普通に見かけていたから目が慣れてしまって…」

ゴウキ「どれだけ不衛生だったんだロケット団のアジトは」





スパーーーーンッ!!!!


バシィィィィィッ!!!!


ガシャッ!!!ドガッ!!


スパーーーーンッ!!!!






レン「だああああっ!!!うっぜぇえええッ!!!ムカつくなコイツ!!!」

ゴウキ「しぶとい奴が!!ナズナ!そっちに行ったぞ!!」

ナズナ「まさかゴキブリで本気になるなんて…」

レン「ゴキブリ言うな馬鹿!Gって言え!」







スパーーーーンッ!!!!!

















ミリ「……皆様方、手にスリッパ持って何やっているのでしょうか…??」

レン「っ!!??」

ナズナ「!!!!」

ゴウキ「っ舞姫…!?」

ミリ「さっきからスパーーーーンとかスパーーーーンとかスパーーーーンとかそればっかが聞こえてきたんだけど…なに?新しい遊び?」

レン「これが新しい遊びに見えるか!?」

ゴウキ「…舞姫、今取り込んでいるから此処を離れた方が良い。変なモノを見たくなければ尚更な」

ナズナ「くっ…コイツ!!!」






スパーーーーンッ!!!






ミリ「わ、ナズナさんの本気を垣間見た気がする!てかナズナさん今何しているの??」

レン「気にすんな。ほら、あっちに行こうぜ。ここは戦地だ。戦場だ」

ゴウキ「次こそはッ!!」






スパーーーーンッ!!!!






ミリ「ねえねえレンちゃん。ゴウキさんまでマジになっちゃってるけど一体なにしてんの??私も混ざってもいい?なんだかとても楽しそう!」

レン「大丈夫だ。お前は何もしなくていいし混ざらなくてもいいからな。つーかもうあの状況見て楽しいって言っちまうコイツが可愛い過ぎる」

ナズナ「麗皇!ヤバいそっちに行ったぞ!!」






カサカサカサカサカサッ




カサッ






ミリ「あ」






カサッ

カサカサカサ、カサッ






ミリ「レンちゃん、アレってゴ(モガッ」

レン「大丈夫だ無理に言わなくていいからな」

ゴウキ「バレてしまったからにはしょうがない…舞姫、離れていろ。後は俺達が奴をしとめてやる」

ナズナ「二人とも一斉に掛かるぞ。奴もいい加減疲れているはずだ」

ゴウキ「そうだな」

レン「いくぜ!」





スパーーーーンッ!!!








レン「今のは手応え有りだぜ」

ゴウキ「殺ったか?」

ナズナ「いや…どうだろうか…?」








……

………………


……………………………








………………、カサッ








レン「まだ生きてやがるし!!どんだけしぶてぇ奴なんだよ!」

ゴウキ「上等だ…今度は渾身の一撃を食らわせてやる…!!」

ナズナ「…そういえば下っ端の人間の苦戦している姿を何度か見ていたが…下っ端も大変だったんだな…」

ミリ「…( ̄∀ ̄;)」






カサカサカサカサカサッ



カサカサカサカサカサッ、カサカサカッ






ミリ「あ。こっちに来た」

「「「!!!!?????」」」

ミリ「おーおー素早いねー!流石はふたごじまで長く生き抜いただけはあるよね〜賞賛に値するよゴキブリ略してゴッキーブリ君!」

レン「おま、それ略してねーから!」

ミリ「なんだーみんなゴッキーブリ退治しているならしているでそう言ってくれればすぐに退治してあげたのに!」






ヒュッ‥――


―――サクッ







レン「(°□°;)」

ゴウキ「(°°;)」

ナズナ「(°д▼;)」

ミリ「ゴッキーブリ君は何処の世界でもしぶといんだねー。まぁこれならもう死んだふりするところかもう死んじゃっているもんねー」

「「「………………」」」

ミリ「カツラさんには悪いけどこのフォークは処分させてもらうとして。ゴキブリホイホイ買っておいて設置して〜、そんでもって痺れ団子も作っておこうかな。まさかポケモンの世界にもゴキブリがいるとは思わなかったなぁ〜早速作業に取り掛かろう!」




パタパタ……










レン「………」

ゴウキ「………」

ナズナ「………」












ゴウキ「…あの素早かったGが…」

ナズナ「図太い生命力を持ったGが…」

レン「最後まで生きていた奴が…」








「「「(…まさか食器のフォークで串刺しになって終わるだなんて……!!)」」」














彼女はG相手でも強かった


その後ふたごじまにいたG集団はめっきりその姿を見せることはなかった



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