「どうやってオツキミヤマを越えようかなー」

「ブイ」

「この際、飛んでみる?」

「「Σ!?」」





―――――――
―――――
―――








「あー!綺麗なおねーさん!」

「昨日テレビでバトルしていたおねーさんだ!」

「わー!握手してー!」

「あらら、可愛い子達だね〜」





今私がいる所はオツキミヤマの隣りにある、ポケモンセンターの広場

皆と別れてオツキミヤマに向かった私。本当に通行禁止なのか、半分は直っているだろうと期待した私が馬鹿で、全然復旧作業は進められず。結局私は一晩ここで泊まる事になるはめになっていて

で、この私の目の前でわらわらとやってきた子供達はというと、やることなくなってどうしようかと広場のテレビをボーッと見ていたら、どうやら昨日のテレビを見ていたみたいで一人が気付いたら波の様に押し寄せて来たっていうね

おねーさん流石にびっくりするよ



でもそこは子供の特権。可愛いなぁ、と思いながら握手をしてくる子供達に笑顔で対応したり、子供達の頭を撫でてあげた

うんうん、癒される←






「おねーさんはどうしてここに来たの?もしかしてオツキミヤマを越えるの?」

「うん、そのつもりで来たんだ。でも通行禁止だからどうしようかなーってね」

「!?おねーさん、しばらく待った方がいいよ!ポケモン達がいきなりおかしくなるよ!」






子供達のニコニコしていた顔が一瞬の内に恐怖に変わり、血相を変えて私に言った

私達の会話を聞こえたのか、回りにいたトレーナー達がざわざわとざわめき出した。驚いている顔、戸惑っている顔、それは人様々

なんだなんだとこっちも驚きながら回りを見回していたら、子供達の後ろで見守っていた一人の女性(多分誰かのお母さん)が戸惑いながらも私の方に近付いてきた





「…昨日のコロシアムを息子と一緒に見ていました。ミリさん…あなたはオツキミヤマが通行禁止になった理由は、ご存じですか?」





オツキミヤマが通行禁止になったのは、ポケモン達の騒動が原因だとレンからは聞いていた。ポケモンによる騒動で通行禁止だなんて、よく言う野生動物の突発的行動と一緒にだから別にどうとは思わないし驚かなかった

けど、そんな事でこの騒ぎ様…

私はとりあえず知らない振りを通そうと思った





「すみません、私は深い理由は聞いていません。…宜しかったら、私に通行禁止の理由を教えてくれませんか?私が聞いたのは土砂が崩れて入口が塞がった事くらいなので…」

「…えぇ、通行禁止の理由の一つは土砂崩れによって入口が塞がってしまった事です。ですが、それだけではありません」

「…他にも、原因があるのですか…?」






あらー、マジでか〜

一体どんな理由なんだよ


回りにいたざわめく一帯は静まっていた。彼らは皆、視線はこちらに向いていた。私に集まった子達は私の腕や袖を掴んだり、自分の両親の所で戸惑いながらも真剣な顔で私達の話を聞いていた






「土砂崩れならこちら側と向こう側で掘り起こせばすぐにでも入口は見つかるはずです。ですが私がさっき見た現状は何も手を施していませんでした。…ポケモンを刺激するから、なら話は分かりますが…一体何があったんですか?」





ほら、確かゲームのルビサファ。ゴニョニョがいっぱいいるトンネル。確かアレもポケモンを刺激するから堀進めないって言っていたよね←

それだけポケモンはデリケートな存在。共存していくのなら互いに気遣い合わなければいけない。だけど不確かな理由があるのなら、話は違ってくる





「オツキミヤマにいたポケモンが、いきなり暴れ出したんです」

「暴れ出した?」

「えぇ、普段はおとなしいポケモンもいきなり…私はちらりとしか見たぐらいでどの様に暴れ出したかは分かりません」

「…雨が降っていないのに土砂崩れが起きるくらいです。相当中で暴れ回っていたのでしょうね」

「…問題はその後なんです」

「その後?」

「はい。ポケモン達がおかしくなったんです。…私達の、ポケモンも」














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