「ほらな?」 「ほらなって………レン、まさか知っていたのか?」 「当然。ミリの事は大方把握している。恋人として、な」 「テメェふざけんなドヤ顔すんな死ね!」 「生きる」 「まさかミリにそんな力が……」 「知らなかったぜ…そんな素振り一度も見たことなかったから正直びっくりっつーか…」 「本当にね。…でも、無理もないわ。ゲンが隠していたくらいだもの、ミリだったら尚更そうだったのかもしれないわね」 「しかし…凄く驚かれましたね。初めて見ました、あのように取り乱すミリさんの姿…」 「「………」」 『闇夜ちゃんんんん!どうして最初っから言ってくれなかったのおおおお!』 『……(汗』 『闇夜ちゃんんんんッ!それ大事いいいいいッ!』 よほど自分達が此処にいる事が信じられないらしい。予想外な人物を前に、ミリは驚愕し困惑し、荒れている。荒れまくっている。闇夜の身体を掴んではブンブンと揺さぶる始末だ 何を会話しているかは分からないが、されるがままな闇夜との組み合わせは端から見ると中々のシュールというべきか 察しがよくて目敏くて、冷静沈着ともいえたミリにしては―――珍しく動揺を隠せない様子だった 『え、えっ、ちょっとどういう事なの?なんで皆がいるの?シンオウの皆が、てかダイゴがなんでそこにいるの?さっき別れたばかりだよね?テレポート?どこでも〇ア開いちゃった?ダイゴったらいつの間にそんな未来道具造っちゃったの?ちょーっと誰かおねーちゃんに分かりやすく状況を説明して!わけわかめよ!』 「動揺してんなー」 「ハハッ、面白れぇな」 「呑気に笑っている場合ですか」 「よほどあなたが此処にいるのが信じられないみたいね」 「流石にどこでも〇アは造れないかな……」 「仮に造ってしまったら世界の秩序が乱れそうだ」 ミリが動揺してしまうのも無理もない、のかもしれない 仮にミリの記憶が六年前に逆戻りした前提に話を進めてみれば―――ミリ本人からしてみれば、訳の分からない事が起こってしまっている事になる 分かりやすい人物を例えるなら、やはりダイゴだろう。数時間前に別れたはずのダイゴが短時間でシンオウに来れるわけがないし、シロナ達とは初対面になる。それなのにダイゴはシンオウにいて皆と一緒にいる。そもそもミリ自身シロナ達との再会をしっかり果たしていないのだ ミリにしてみれば本当に今の状況はわけわかめな話でしかない。もしくは「まだ皆と再会していないのにダイゴだけキイイイイッ!」と別の事で荒ぶりそうだ 「よし、どうであれミリさんがこちらに気付いてくれた事だ。アポロ達も今や動ける状態ではない。戦況は一気にこちらに回ってくれた。………まずはこの見えない壁から脱出するぞ」 「ゲン、波動で舞姫に指示は可能か?」 「テレパシーの様に実際に会話が出来るかは分からないが…任せてくれ。この波動使いの名に掛けてミリに全てを伝える まずは服を着ろ!と伝えよう」 「「「「「それな!!」」」」」 今一番に必要とする事はこの檻からの脱走よりも無防備で無頓着なミリの薄着をなんとかする事であり、 そんな格好でぶらついたらたまったものじゃないしそんな格好で再会は逆に果たしにくいのは男性一同の本音でもあり、 ミリには説教をしてでも事の重要さを分かってもらわないと! 全員の気持ちは満了一致した さて、次の方針も決まった事だし時間も無い。ゲンの波動の力でこの事態を脱走しよう。ゲンは再度ミリに向けて波動を発動させようとした ―――その時だった 『ちょーっと待って、待ってね。もうちょっと詳しく調べるね………………あと三人、中に捕らわれているね。……?誰だろう。闇夜、知っている?』 「「「―――!!??」」」 今、ミリは何を言った? (衝撃的な言葉が)(三人を突き刺した) |