「ねぇ、"  "」

《はい、"   "様》

「やっぱりこの子達も、あの子と同じ能力を引き継がれるのでしょうか?」

《そうですね…多分、引き継がれる可能性は高いかと僕は考えています》

「やっぱり…そうですよね





あの子は全ての技が使え、七種類の進化が可能でした。その子供ですから、きっとどちらかが別々に能力が引き継がれるのは、時間の問題ですね」








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白いイーブイが光出した



それはかく言う"進化"の瞬間で、人々は動揺から始まり歓喜と感動の声を上げる

ゴウキは静かに見守っていた。彼のポケモン達も静かに見守っている。進化をしても正々堂々と勝負するのが彼らのモットー、白亜が進化しても何も関係はない

それにゴウキはしたりと思った。夜に進化するイーブィは悪タイプのブラッキーに進化する事を彼は知っていたからだ

徐々に体が変形していく白亜は段々見知った形になっていく


そして、進化が止まった






「な、何だと…?!」






ゴウキはありえないと言っている様に目の前の光景を凝視した

それはミリの後ろで観戦していたイーブイから進化を遂げた――――ブラッキーを手持ちにしているシゲルも、ゴウキと同じ様に目の前の光景に食い入る様に凝視した


だってそれもそのはず






「な、何故…何故エーフィに進化したんだ!?」






空は真っ暗なのに

夜なのに

目の前には、真っ白なエーフィ






「白亜、カイリキーに向かってサイコキネシス」

「フィー」

「ッ!?」






ミリの指示にエーフィとなった白亜の額のコアが光出したと同時に、カイリキーが反動で吹っ飛ばされた

特殊攻撃力が半端なかった。カイリキーは弱点を補う為に防御力の他に特殊防御力を高めたつもりだった。実際にカイリキーは他のカイリキーと比べ断然能力値は高かった。自信はあったはずだ。対エスパータイプとして勝つ為に。ゴウキは吹っ飛ばされ壁に激突したカイリキーを唖然として見返していた






「カイリキー、戦闘不能!エーフィの勝ち!」

「…っ、戻れカイリキー!」






赤い閃光がカイリキーを包み、カイリキーはボールへと戻っていく

ゴウキはギリッと苦いものを噛んだ様な顔をする中、観客の歓喜の声が響き渡っていた。もちろんゴウキには観客の声なんて耳に入っていない。すぐにゴウキはトリデプスに命令を下す





「トリデプス、ジャイロボール!」

「白亜、ジャイロボールをねんりきで受け止める」





トリデプスから放たれたジャイロボールは、エーフィとの間で何かに遮られた様に止まった

全員が注目している中、ミリは冷静に言い放った





「そのまま跳ね返す!」

「ットリデプス、てっぺき!」






跳ね返されたジャイロボールは真っ直ぐにトリデプスに向かって飛んでいったが、瞬時に防御したお蔭で防ぐ事が出来た。ジャイロボールの威力に加え白亜の攻撃も加わったのにも関わらず倒れなかった姿を見てミリは軽く舌打ちをしたくなった気持ちを押さえた。ゴウキはゴウキで冷や汗を流していた






「トリデプス、カイリキーがいなくともお前ならやれる!」

「ガァア!」

「エーフィにとっしん!」






大きな体を駆使し、白亜にとっしんしてくるトリデプス

白亜はニヤリと笑った。もちろんミリもニヤリと笑っていて、ゴウキはハッと気付く






「黒恋の事を忘れちゃ困るよ」

「!!」





ボコッ!、とトリデプスの背後に地面から飛び出してきたものが一つ

それはいつの間にか居なくなっていた黒いイーブイで、トリデプスが急停止し驚いた顔をして振り向いた途端、黒恋の口から灼熱の炎がトリデプスを包み込んだ





「か、かえんほうしゃだと!?」





これには此処にいる全員が釘付けになり、唖然とした





「イーブイは普通かえんほうしゃは覚えない…」

「!」

「他のイーブイなら、ね。でも私のイーブイは特別だよ。もちろん威力共に御墨付きですよ」

「…!」










この時が不可能を可能にした、瞬間だった






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