「ミリさん、凄いや!」

「ピカ!」

「強い…まさかミリさんがここまでの実力者だったなんてびっくりだ」

「ミリも強いが、ゴウキという奴も相当な実力者だな」

「おいおい、普通セキエイリーグでやる様なバトルだよな?凄すぎだろ!」





ミリが登場してきた入口付近で、サトシとシゲルとグリーンとレッドはいた

本当は席に戻っても良かったが、どうせ自分達が座っていた席は別の人に座られているだろう。ならミリの近くで観戦した方がこちらとして好都合。特別何も言われなかったので遠慮なく観戦をしていた





「サトシ、シゲル。よく見とけよ?ミリの実力をな」

「「はい…!!」」

「グリーン、お前はこの戦いどう予想する?」

「…さぁな。ミリには勝って貰いたいが、正直分からない。ミリとゴウキという奴は五分五分…指図め能力や持久力に関係すれば断然ゴウキという奴の方のポケモンが有利だろう」

「…ミリの方のイーブイ達のコンビネーションがあっても、明らか図体がデカいトリデプスを倒すのは難しいな。ましてやイーブイはノーマルタイプだ。ゴウキにはカイリキーがいるし一発でも攻撃が当たったらイーブイ達が倒れちまうな」

「あぁ。ミリには初めての不利なバトルだろう」






実際ミリが不利なのは目に見えていた

今までミリが戦って来たトレーナーの手持ちは最終進化までいっていないポケモンばかりで、はっきり言って弱かった。それなりの実力を持つトレーナーもいたが、ミリの前だと立ち塞がる壁にもならない。今回やはり決勝戦と名を輝かす通り、やっと実力者が現れた。しかも相当な手だれが、今まさにミリの立ち塞がる壁として現れた。つまりはラスボス。もちろんラスボスらしくなかなか勝たせてくれない様なポケモンを従わせて






「…!」

「どうした、サトシ」

「…グリーンさん、俺、さっきから疑問に思っていたんですが…ミリさんのイーブィ達、少し妙なんです」

「それは僕も思ってた。何か違和感を感じるんだよね」

「…やはりお前らも気付いたか」






サトシとシゲル、グリーンが疑問に思った点。それはイーブイ達の行動の中にあった

普通に見ていればミリの指示で動いているイーブイ達。コンビネーションは抜群だと思わせる行動だが、よくもまぁあの様に息がぴったりで動く事が出来るな、と。感心を通り越して疑問が浮上。疑問その@

そして何より重大なのはミリの指示とは別にイーブイ達自身が別の動きをしていた。これは他のトレーナーなら気付かなかったが、ここの四人は別だ。数々の困難を越え、実力をつけてきた彼らは些細な事でもすぐに気付く事ができた





「…何であのイーブイ達は指示無しで攻撃をし、まるで背中に目がある様な躱し方をしているんだ…!?」





指示無しで攻撃するのは、ミリと戦った挑戦者達も気付いていただろう。だけど一瞬だったから偶然だと思った

そう、偶然と

イーブィ達が相手のポケモンの攻撃を避ける時も、レッドの言った通りまるで背中に目がある様な躱し方。死角の場所を狙っても難なく躱されてしまう

現に今、ゴウキのカイリキーが四本の腕を使って白いイーブィの白亜に攻撃を繰り返しても全然当たらない。いや、当てられないのだ。それもそのはず、白亜と黒いイーブイの黒恋は攻撃を食らう三秒前には既に攻撃の起動を避けていたからだ。流石にここまで気付くと四人は開いた口が塞がらなかった。疑問そのA





「指示無しは、経験を積んだトレーナーとパートナーがお互いに信頼し合えば出来るとおじいちゃんが言っていた事があった。その者はやはり相当の実力者だというのは頷ける。それがミリだったら納得はいく。だが…攻撃が来る三秒前に攻撃を避けるのは不可能だ!。遠距離なら三秒前もあれば避けられるが、あの様に接近戦なら尚更だ」





四本の腕を駆使しても、一向に当たる気配はない

白亜の方は軽々と避けていく中、カイリキーは少し疲れが見えていた。もしかしたらカイリキーの方が疲労で倒せるかもしれない





「頑張れよ、ミリ!」












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