「あらー…」 「どうかしましたか?」 「…いえ、ちょっと顔の赤みがまだ治まっていないのであまり顔見ないで下さい…」 「「ブイ?」」 「(これは…やっぱり何かあった様ですね)」 面と向かって言われ慣れていなかったちょっとうぶいミリだった ―――――――― ――――――― ――――― ――― もう、空は夜を迎えていた 夜を迎えていたにも関わらず、昼間よりもヒートアップした歓声がコロシアム中に立ち込めていた それもそのはず、今現在コロシアムのフィールドで戦っている挑戦者達は勝ち進んできた勝者の集まり。勿論実力も目を見張る者ばかりのトレーナー達がそれぞれのフィールドで戦いあっていたのだ 現在この四面あるバトルは既に『第四ステージ』に差し掛かっている。時間の都合も兼ねてスムーズに進める様に既に勝ち進んだ挑戦者は、休む事なく別に勝ち進んだ挑戦者とバトルを繰り広げている この調子なら、すぐにでも決勝戦に進めるだろう 勿論、そこには『白黒のイーブイ使い』と有名となったミリの姿がフィールドの上あった 「白亜は左ステップ、黒恋は右ステップで標的を変える!そしてなきごえ!次にでんこうせっか!!」 リズムの良いテンポ感に転機を効率良く持っていく、洞察力とそのスピード感 この一日でミリは誰もが認める凄腕のトレーナーになっただろう。ミリの不思議な惹かれる何かを魅入られたのか、歓声の中にはミリの名前を連呼する者が多くなった 今まさに、コロシアムの中にはミリの声援が送られている ミリもまた、その声援に答える様に功績を上げていく 「…凄いや」 「ピカッ」 観戦をしていたサトシが、無意識にポツリと呟く。サトシの目は真っ直ぐにミリ達を見ていた サトシの呟きに同意したのは相棒のピカチュウの他に、続く様にシゲルは頷いた サトシとシゲルは驚いていた 同時に彼女に魅入っていた 美しかった ミリの容姿諸々は実際に目にして話して実感していた。少し話しただけでも彼女に何か惹かれるものがある 特に美しかったのは、戦っている時の彼女の姿だった 初めて見たミリのバトルは、息を飲んだ。彼女の手持ちである白のイーブイ、黒のイーブイが繰り出すコンビネーション抜粋のバトルは、まるでイリュージョンを見せられている様な感覚だった。更にはそれを指示するミリを見れば、威風堂々とした姿は威圧が遠くからでも感じられ、フィールドを見る彼女の瞳は既にバトルを把握した様な見透かされている様な感じがして、こちらを見ていないのも関わらず背筋がゾクッとした 「ミリさんのイーブイ達は強い。そしてミリさん自身も…強い!」 「ピッカッチュ!」 「彼女程の実力者が、何で今まで表舞台に出て来なかったんだろう…」 ミリのフィールドの方を見てみれば、最後のフィニッシュを決めようと白いイーブイの白亜と黒いイーブイの黒恋が相手のポケモンに飛び掛かっていた 「いずれにせよ、ミリは上に勝ち進んで、俺達の前に現れる」 「あぁ。グリーンはトキワジムリーダーに挑戦する為、俺はカントーチャンピオンとして」 ワッ、と歓声が一際大きく響き渡った 「グランブル、ケンタロス先頭不能! よって勝者、ミリ選手!」 『アイアンテールがまた見事に当たったー!これによりAブロック決勝戦の切符を手に入れたのはミリ選手になりました!Bブロックの準々決勝が終わり次第、すぐにでも決勝戦を開始致したいと思いますので皆様まだ帰らないよーに!』 星空がキラキラ浮かんだ → |