「…サトシ、君にまた聞きたい事がある」

「…奇遇だな、俺もシゲルに聞きたい事があるんだ」






「なぁ、ミリ。昼食べたか?これあるけど一緒に食べようぜ」

「え、あ、ありがとう」

「ミリ、水分補給しておけ。炎天下の中のバトルはキツいからな」

「あ、ありがと」







「「今度は何…?」」






――――――
――――
――








「あ、ミリさん!お帰りなさい」

「…ただいまです」

「…どうかなさいましたか?深刻な顔をしていますが…」

「いえ、大丈夫ですよ」





心配そうな顔をするジョーイさんにニコリと笑う

私の頭の中では、先程のレンの言葉が木霊していた






『あのイーブィは誰の言う事も聞かなかったらしい。けど今はお前を主として慕っていると奴等が分かれば、お前を奪う為には容赦しないだろう。あのイーブイ達で戦えば大丈夫だと思うが、お前自身になると危険だ。何されるか分かりもしない。気をつけろ。回りを敵だと思っておけ』





レンからしつこいくらい注意を受けた後、彼は用事が出来たらしく緊迫した空気のまま最後にまた『気をつけろ』と言う言葉を残して電話を切った

レンの言葉はグルグルと私の心を疼かせるのに充分だった。確かにレンの言う通り試合前に言われる台詞ではない。でも、話が聞けてよかった。少しの謎が解けた気がしたから






「(けど、表舞台には知らされなかった情報を何でレンが知っているの…?)」






分からない

余程の情報通なのか、当事者なのか…うーん後者は考えたくないなぁ←

今はまだ知らなくてもいいかもしれない。けど残念な事に私はそんな呑気に言ってられない。レンは言っていた。私も関わっていくと

…少し、調べてみよう






「はい、ポケモン達は元気になりましたよ」

「ありがとうございます」






ジョーイさんからボールを受け取り、ボールを軽く投げる

ポンポンとリズムよくボールが開き、白と黒の光を出しながら白亜と黒恋は現れた

二匹とも同じ顔で同じ体制でちょこんと座って私を見上げる。尻尾は犬みたいに振っていて、私が腕を広げれば二匹は嬉しそうに飛び込んだ

あー、もう可愛いなぁVv





「あ、そうだ思い出した!」






私に抱き着いてすり寄ってくる二匹をなでなでイチャイチャ(←)している私にジョーイさんはポンと手を叩いた






「ミリさん、貴女を探している人がいましたよ」

「私を探している人?」






はて、私を探してくれる知り合いなんていたっけ?






「凄い剣幕で私の所に来ましたよ。『ミリっていう人ここに来ましたか?』って」

「はぁ…」

「『来ましたよ。この場内で探検していますよ』って言う前にはもう走って行ってしまいましたが…」





…うーん、誰だろう


頭をこてんと傾ける。顎に手を当てちょっと考えてみても浮かんでこない。レンだとしてもつい先程電話したばっかで私を探す訳がないしそもそも此処にレンは居ない

レンの他に接点があった人といえば…






…(゜゜)






…( ゜゜;;)ん?







ま、まさか…







「一人は赤い帽子をかぶって、もう一人はツンツン頭のちょっとつり目な二人の少年でしたよ」

「あらー」








ちょっと逃げる準備でもしておこうかな←






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