その頃観戦としてコロシアムに遊びに来ていたレッド、グリーン、サトシ、シゲルは観客席に向かっていた

先程からサトシが上の空な為、彼らは怪訝そうにサトシを覗き込んだり、シゲルに至っては面白半分にサトシに悪戯をしていた。もちろん怒られる事は目に見えていて、サトシが気付いて怒ったのを見てレッド達は笑った





「へぇー、場内も凄かったけどここもすっごい人がいるんだな」





廊下からコロシアムのフィールドがある広場に出た四人はレッドを始め驚きと感嘆の言葉を吐く

もしかしたらセキエイリーグの時と同じくらい、いやそれよりも活発に見えたのは気のせいではないだろう





「席に座るぞ」

「席開いていればいいんだけどね」

「兄さん達、あっちに四席あいてるぜ!」

「ピィカ!」

「よし、そっちに座ろうぜ」





丁度人込みが少なかった為、すぐにその席に座る事が出来た。しかもその席はコロシアムが良く見渡せる、当たりの席でレッドとサトシは「ラッキー」と言って笑った

これから第二ステージが始まるという事でそれぞれ四面あるフィールドには既にトレーナーが準備OKといった様にボールを手にしていた。「ナイスタイミングだよ」とシゲルも言って笑った






「効率良く進める為に四面も使ってるんなんて凄いぜ!」

「ピッカ!」

「真ん中にあるコートが決勝戦にでも使うのかな」

「多分な」

「一体どんな奴が出て来るんだろうな」





ワクワクしながらフィールドを見るレッド。まるで自分も挑戦者みたいな闘志を燃やす目をしていて、彼の代名詞"戦う者"として意味が納得出来る。「別にお前が挑戦者じゃないだろ」とグリーンは言いながら、フィールド内を見る三人とは視線を外し、大きなスクリーンを見る

モニターに映るトーナメント表に、挑戦者の顔写真

順々に見ながら、将来こいつらとジムバッチかけて戦うかもしれない―――そんな淡い期待をもちながら見ていっていけば、ある人物の顔写真を見つけた。ハッ、と目を見開くグリーン。まさか…、と呟きすぐさまレッドの方を振り向いた





「レッド!」

「んー?何だよグリーン。お前も見ろよ、試合が始まったぜ」

「そんな事はどうでもいい!」





試合がどうでもいいほど、グリーンにとってこちらの方が重要だった


レッドの首根っこを掴み、一気に頭を上げさせる。ぐえっと言ってもおかまいなくだ

「何するんだ!」と反抗してくるレッドを力でねじ伏せ、「あれを見ろ!」と頭をトーナメント表の方に向ける

仕方なく順々にトーナメントの挑戦者の顔写真を見るレッドは、どんどん見ていく内にある挑戦者の写真にたどり着くと、目を見開き息を飲んだ。すぐにグリーンに振り返れば、グリーンは真剣な面持ちで頷いた






「まさかここに居たなんてな」

「っ…!グリーン!」

「あぁ、行くぞレッド!」






ガタッと客席から立ち、サトシやシゲルの困惑と制止に構わず走り出す。試合前までには見つけなければいけない。そう、この一週間ずっと気になってな頭から離れなかった、あの謎の女が、このコロシアムに出場していたなんて。まさかこんな近い所にいたという驚きと、また会えるという嬉しさが込み上げてくる。レッドはその気持ちを全面にだし、グリーンは隠す様に走る速さを上げるのであった













「なぁ、シゲル。兄さん達どうしちゃったんだ?」

「僕に聞かれても…トーナメント表に何かあったのかもしれないね」





レッドとグリーンが走り去って、取り残されたサトシとシゲル。追いかけるにもどうすることも出来ない二人はこの場所に止どまる事に決めた。もしかしたら二人が戻って来ると予感して

シゲルは大きなスクリーンにあるトーナメント表を見上げる。二人はこのトーナメント表を見、何かに気付いた。もしかしたら二人の知り合いがいるのかもしれない。サトシもシゲルに習いトーナメント表を見れば、あっ、とある人物を見つけた





「(あの人…挑戦者だったんだ)」





それは先程ぶつかった、綺麗な人。もしかしたら二人はこの人を…と思考を巡らせたが、敢えてそれは止めて試合を観戦するのであった











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