「やっといた!何してんのよコジロウ!!仕事サボって何観戦しているのよ!」

「そうにゃ!…て、コジロウ、全然反射してくれにゃいのにゃ…」

「(視線を辿って)…ははーん、なるほどね。コジロウったら隅に置けないって訳ね〜」




「ミリさん…!!お美しい…!!」




「目がハートだにゃ」

「ほっときなさい。私達も観戦するわよ!!」

「にゃ!?仕事は!?」

「そんなもん、後よ後!!」






* * * * *






「ドガース、スモッグで相手の動きを封じるんだ!そのすきにイシツブテは体当たり!!」

「白亜はスモッグを浴びない様に左へ飛ぶ!黒恋はそこであなをほる!!」





ドガースが口から毒の煙を辺り一面に吐き出す。スモッグを浴びない様に白亜は左に大きく跳び、黒恋はスモッグを浴びる前にすぐさま穴を掘って地中に身を潜める。スモッグをあまり利かないイシツブテはそのままスモッグの中に入っていき、跳んだ白亜に体当たりをくらわそうとする

が、白亜はイシツブテが自身に体当たりを食らう前に尻尾を振り上げてイシツブテをハタキ落とした

効果は抜群だ





「イシツブテ!」





タカシは驚いた

いや、それ以上にイシツブテが驚いたに違いない


驚くのも無理はない

さっきの技はアイアンテール。普通は指示があって攻撃するものだが、白亜にその様な指示はなかったはずだ

イシツブテは地面に叩き付けられた、目を回したまま起き上がる事はなかった

即ち、戦闘不能

白亜の勝利だ





「イシツブテ、戻れ!」





赤い光線がイシツブテを包み、イシツブテは自分のボールへ戻っていく

手持ち一匹が先頭不能により焦り出すタカシはまた指示を出した





「ドガース、えんまく!」





スモッグの次には煙幕が辺り一面に広がる

白亜は煙幕に近付かない様に後ろへ跳んだ





「…なるほど」





今まで静かに見守っていたミリが口を開く





「君が警戒しているのは私の白亜ではなく、あなをほるで隠れている黒恋。毒タイプは地面タイプに弱いからね」





ボコッっと地面が盛り上がる

そして飛び出してきたのは、黒色のイーブイ、黒恋

そのままドガースに攻撃しようとしたが、



スカッ






「!?」

『おぉっとぉーー!!』




届かなかった





『ドガースは毒タイプだけど特性は浮遊!あなをほるを攻撃しても攻撃は効かない!ミリ選手のイーブィの攻撃は外れたかぁ!?』

「っチャンス!ドガース、もう一度スモッグ!!」

「ドガー!」





ドガースが口を開きまたスモッグを繰り出そうとする。標的はもちろん黒恋で、丁度地面に着いたばっかだった





「黒恋」





ミリは静かに口を開く


黒恋は後ろを向いてミリを見る。互いに視線を絡ませ、頷く






「攻撃の手段は他にもあるからね」









激しい風が、吹き回った






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