「サートシ君」

「シーゲル君」

「うわ、なんかムカつく」

「お前に言われたくない」

「ピーカピ、ピーカピ」

「サトシ、君のピカチュウは今僕の名前も言ったのかい?」

「言ったな。シーゲルって」

「…まぁいいや」

「いいんかい」

「さて、サトシ。この状況を20文字以内に答えてくれ」

「兄さん達がテレビに食い付いている」

「…何で?」

「さあ…?」






――――――――
―――――
―――








「君達は本当に頑張った」





センターの一人部屋にて

ベットの上で胡座を組む一人の女。女の前にはちょこんと大人しく座っている、白と黒の色違いのイーブイが女を見上げる






「二ビに滞在し、特訓の為にトキワの森に篭りながら過ごしたこの一週間。君達は本当に頑張った」

「「ブイ」」

「私の無茶無謀な攻撃を指示が全くない状況なのによく堪えてくれた。これで私と君達は、何があっても通じ合うモノが確実に実った」

「「ブイ…(思い出したくない)」」

「トキワの森で出会ったあのポケモン達と白熱した特訓。数多く戦う事で持久力と体力と的確な判断を成長させた事間違ない」

「「ブイ…」」





…まさか私の言葉が分かって私の申し出に快く引き受けてくれるとは思わなかったけど、と付け足す女にイーブイ達は苦笑する





「さて、」





女が切り出す






「いくら知識があっても、それは私自身の知識。ポケモンバトルとかは今まで私の知識で乗り越えてきた様なもの。でも忘れてはならないのは私は新米トレーナーだということ。実際に知識はあっても、もしかしたら実戦出来ない時があるかもしれない。それは、分かるよね?」

「「ブイ」」

「私は、勝ちたい。でもその代わり君達を危険な目に遭わせる事になるのは重々承知だと思う。もしかしたら無傷で勝つかもしれない。でもかなりの深手を負うかもしれない」

「「ブイ」」

「今回のコロシアム、沢山の人やポケモン達と出会うかもしれない。沢山の人と戦うかもしれない。もちろん、勝って上に上がっていくなら尚更ね。それを目的で私達はコロシアムに出場する」






女は前に乗り出し、二匹のイーブィの頭を優しく撫でる

女の顔は笑顔に満ちていて、イーブィ達もつられて笑顔になっていく








「このコロシアムに勝とう。白亜、黒恋、このコロシアムを原点に――――私達は進もう!」

「「ブイ!」」






私達は負けない

どんなことでも、乗り越えられる






「さあ、行こう」







今日は晴天、いい天気






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