「そ、その色はま…、まさかゴールドカード!?」

「あ、はい、まあ…」

「す、素晴らしい!私、今までシルバーカードの人は何度か目にしてきましたが…ゴールドカードを持つトレーナーは初めてです!!感激です!!」

「そ、そんなに驚く事でも……あぁ、色んな人が見てるよ…めっちゃ目立っているよ私…」






夕暮れ時にやっとトキワシティに着いた私は、真っ直ぐにポケモンセンターに向かった

ポケモンセンターはトレーナーカードがあれば宿泊食事がタダだから、どの道野宿以外の選択にセンターで泊まるしか方法がなかった私。センターの中に入り、真っ先にポケモンを回復させる為にジョーイさんの所に行って、何故か私を見て顔を紅くするジョーイさんに疑問を持ちながら(無自覚)トレーナーカードを取り出した瞬間―――驚かれた

…うん。まぁ、分かっていたよ、こんな反応をしてくれるのは。ゲームではゴールドカードにするのは何時もの事だったから、こうして現実に体験すると、ねえ?

しかし、こうも目の前でやられると結構恥ずかしいものが…ああああ色んなトレーナーが私を見ているうううう!恥ずかしいいいいい!






「えっと、ジョーイさん落ち着いて…」

「…ハッ!私とした事がとんだお騒がせを…。ですが、まさか生きている間でゴールドカードを拝む事が出来るなんて、私は幸せ物です!」

「生きている間…大袈裟ですよ」

「いえ、本当の事です。他のセンターにいるジョーイも同じ事をいうに違いありません」

「はぁ…」

「持ち主はこんなにも美人で、羨ましいです(ポッ」

「いやいやいや、美人じゃありませんて。……?―――!?ちょ、皆さんもジョーイさんと同じ顔をしないで下さいよ!!」

「あら、本当の事ですのに…。あ、忘れていましたわ。ポケモンの回復でしたわね」

「お、お願いします…(げっそり)



 後、ここに泊まっても良いですか?」

「勿論です!ミリさんなら何時でも大歓迎ですよ!!贔屓させて頂きます!」

「こらこらこらこら!」






結論


ゴールドカードの威力は凄かった





* * * * *








「はー疲れた。無駄に疲れたなぁ」





――――あの後、ゴールドカードの噂を聞きつけた他の沢山のトレーナーに捕まり、色々聞かされ色々聞かれたりと、色々もみくちゃにされた私。部屋に案内された時はもう既に私の顔は魂が抜かれている状態だった。案内人さんの苦笑した顔は忘れられない

無事に部屋に通され、案内人が立ち去った事を確認した私はボールを出して白亜と黒恋をボールから出した。二匹は初めて見る物に目を輝かせ、同時に走り出してはベットに飛び上がり、楽しそうにピョンピョンと飛び跳ねて初めてなベットを堪能していた

うん、可愛い。癒される←



部屋はアニメみたいな二段ベットじゃなく、完全に一人部屋だった。ベットも立派でソファーや諸々の家具がしっかり揃っていて、ビジネスホテル並みの清潔感があった。これこそまさに贔屓というもの。本当にやらかしてくれたみたいで、私は苦笑いした






「さて、」






バックを置いて荷物を取り出し、ヒラヒラの服から寝間着に着替える。…大丈夫、今は黒恋はベットに夢中。この前、目の前で着替えた時は顔をかなり真っ赤にして固まっていたからねー、黒恋ちゃんも立派な男の子ってね

着替え終えた私はバックの中から図鑑を取り出す。近くにあった椅子に腰を掛け、図鑑を開いた

見るのは勿論、この子達のステータス






「えーっと?能力値は、っと…お。あったあった。何々…黒恋はがんばりやの性格。かけっこが好き。甘い物が好き。…あぁ、それっぽい。能力は…やっぱりかけっこが好きだから素早さが他より高めだ。でも結構強いな…一番弱い所は防御力。ふむふむ」





ピコピコと忙しなく動かす

今度は白亜だ





「白亜は陽気な性格。逃げ足が早い。甘い物が好き。…あぁ、それっぽい。本当に双子って感じがするよ。能力値は…黒恋とほぼ同じか。素早さは高くて…あれ、逆に白亜は特防が弱いのか。でも他とさほど変わりはないと。ふむふむ」



「ブィ!」(ピヨーン

「ブィブィ!」(ピヨーン



「白亜が逃げ足で黒恋は適応色。コンディションはゼロ。ふむふむ。なるほどね〜」



「ブィブィ!」(ピヨーン

「ブーィ、ブーィ!」(ピヨーン



「明日はまたテストでもしていきながら観光ぶらりでもいいかも。うん、そうしようそうしよう」



「「ブーィ!」」

「はい君達寝ますよー。そんなにベットが楽しい?」

「「ブイ!!」」

「可愛いなあ!」





よし、一緒に寝ようか!





(もふもふしていてあったかい…!)



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