「まずは、白亜!」

「ブイ!」

「白亜が狙うのは右の岩ね。分かっていると思うけどこれから私は口では指示しないからね」

「ブイ!」

「黒恋はそこで見てて」

「ブイ!」

「準備はOK?」

「ブイブイ!」

「よし、いくよ!





…の前に見られるといけないから結界でも張っておこう!」

「「(ズデッ)」」

「あはは、いやーもしかしたら見られる場合があるからね。同じ過ちは繰り返したくはないし」






いや、だったらさっきのあれはどうかと思うんだけど…



そんな目をしてこっちを見ている二匹に気付く事もなく、私は手を上に振りかざす。手を空に上げた手の平には淡い光の球体が集まり、私がある言葉を呟けば光は眩い光を輝かせ、キィインと何処かに音が響いた


何だ何だと辺りを見渡す白亜と黒恋に、私はポンポンと手を叩いた






「これでOK」






えぇ!いつの間に!?とまた目が飛び出すくらいに驚く白亜と黒恋。その二匹の反応があまりにも大袈裟で、あまりにも面白くて、クスクス笑いながら説明をする






「今の結界はあんまりおっぴろげに結界って分からない様に壁が薄く作られている簡単な結界。後は二重結界として人を寄せ付けない為の効果も付け加えたんだ。これなら結界を解いたとしてもなんも違和感を感じずに済むから……はいはいはいはい、だから目がね、目が大変な事になっているからね」

「「ブ、ブィ…」」



誰か通訳お願いします(白亜と黒恋の切なる願い






「さて、気を取り直して白亜!一発目いくよ!!」

「ブイ!!」

「(アイアンテール!)」




ドゴッ!!




「(でんこうせっか!!)」




ドガッ!!




「(たたきつける!!)」




ドガァッ!!




「わーすごーい。本当に出来ちゃってるし、結局威力が強いと見た。えっと…次の技は…図鑑を見よう。なになに…?おぉ、結構ある。技は四つだけじゃないんだ




(シャドーボール!かみつく!もう一度アイアンテール!!)」





ドガァアン!!










…わぁ…(´∀`;;;))))


強いな、この子






「バトンタッチで黒恋!」

「ブイブイ!」

「黒恋は左側の岩ね。白亜、またテストするから休憩しといて」

「ブイ!」

「準備はOK?」

「ブイブイ!!」

「次はちゃんと図鑑見るからね



 (アイアンテール!)」




ドガッ!!




「(あなをほる!)」




ボコッ!ドガッ!!




「(かみつく!)」




ガジッ!




「(でんこうせっか!!)」




ドガッ!!




「(最後にとっしん!!)」



ドガァアン!










わぁ…


この子も強ぇえ(´▽`;;)))






「よし、終わり」

「「ブイ」」

「本当に出来たんだね、私はびっくりだよー。元々、技の一つ一つが強かったみたいだね。色々君達には驚かされたよ。うんうん、能力値も色々後で確認してそれからまた特訓をしよう!」

「「ブイ!」」

「よし、まずはテストを終了!ありがとう、私の我が儘に付き合ってくれて。ボールの中でゆっくり休んでね」

「ブイブイ!」

「え、黒恋…んーと、まだ大丈夫って」

「ブィ!ブィ?」

「確かにまだ確認したい事はあるけど…とりあえず、まずはトキワシティに着いてからにしようかと思うんだ」

「ブイブイ」

「気を使ってくれてありがとう、白亜。さて、こうしている内に日が暮れていくからね。さぁ、ボールに戻ろう」

「「ブイ!」」





うーん、いい収穫。これは想像以上かな。うんうん


二匹をボールに戻すと、私は結界を解く

キィイン―――とまた音が鳴れば、回りには見えない結界が上から溶けていく様に消えていくのを感じた






「ちゃちゃっと行きますか」






私は早速歩を進めた










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