たんぱん小僧らしきトレーナー約二名と初バトルを勝利で迎えた後、また長い一本道を上機嫌に歩いていた私。ふと思い付いたった私は邪魔にならないように道端に移動し、誰も見ていないのを確認してから白亜と黒恋をボールから出した。なんだなんだと目を輝かして尻尾をパタパタ動かす二匹に癒されつつ、私はある提案を出す

内容は先程のバトルで発覚した事について。心で念じた事がまさか意思疎通していてくれていたとなったら、これは今後大きな進歩になってくれるはずだからね






「よし、テストをしよう」

「「ブイ?」」

「一体どこまで私が口無しで指示出来て、どこまでが限度があるか、それを踏まえてテストをしたいと思います」

「「ブイ!」」






いくら指示無しで命令が可能であっても、実際に通用するかは分からない。もし、これが完璧にマスターしたら…この子達を含め私もかなりの強者になれるかも知れない。凄腕のトレーナーこそ指示をなくてもポケモンと意思疎通が可能だって、どっかの漫画で描いてあったのを記憶していたから―――この手を、使わないなんて勿体ない

目指せポケモンマスターだ!←






「あの岩がいけそうだね」






ちょっと目線を辺り一帯に向けてみると―――誰かのバトルの形跡が残っているか、又は自然現象が引き起こしたのかポケモンが故意に攻撃されたのか。特訓にはもってこいな岩がドーンとあった。大きさは170近くある私の身長より大きいかな。うんうん、いいタイミングでいいものを見つけたよ

私のする事を律儀に姿勢良く待っている白亜と黒恋をそのままにして、私は岩の目の前に立つ。ひとしきり岩の観察を見終えた私は―――拳を振り上げた。自身の岩に拳を叩き付ければバキィイイイッ!!と良い音と共に岩にヒビが入り、瞬く間にビキィイイイッ!!と凄まじい音を轟かせながら真っ二つに割れた



大きな音と砂埃を目の当たりにした白亜と黒恋は―――可愛い瞳が飛び出す勢いで、まるで漫画みたいな驚いた顔をしていた






「イイ感じに二つに割れたね。流石私!二個ならまあ丁度いいかな」

「「………」」

「んー、形はどうしようかな。とりあえず戦いやすい様に丸みを入れて角をとって…(ガッガッドゴッ」

「「……」」

「よし、この二つをあたかも戦闘しているみたいに二匹の前に(ヒョイ)、置いて(ドガッ!ドガッ!)よし、準備OK!!」

「「…」」

「さあて、特訓するよ!……って、どうしたの君達。そんなに目を飛び出しちゃうと目が零れちゃうよ!」

「「…ブイ」」









白亜と黒恋は改めて自分の主人は凄い、と思った


同時にこの人が主人で良かったとつくづく思った






--補足--
美莉は【異界の万人】の力や自身の力も含め、どんなに大きな物でも可能な限り持ち上げたり武器無しで切り刻む事が出来ちゃったりする。見た目とかなりギャップがアリアリ





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