最初に攻撃を仕掛けて来たのは、グリーンだった


グリーンが繰り出して来たポケモンはスピードが売りなハッサム。ハッサムは真っ直ぐに私の懐に入ると、その腕を振り上げる。私は瞬時に後退をし、ハッサムの攻撃距離から離れる。振り上げたハッサムの腕は地面に当たり、地面を抉った

私も攻撃させようと手にしたボールを投げようとした時、別のポケモンの攻撃するのが視界に入り、私は横にステップを踏み攻撃を避ける

バチバチと何かが迸る音

それが何だかすぐに分かった





「でんじは、か。私の動きを麻痺させるつもりね」





体制を整え相手を見る

目の前にはピカチュウが体を電撃でバチバチ言わせながらこちらを見ていた。ピカチュウの持ち主であるレッドは、戸惑いの顔を浮かばせながら指示をだす


…何で、そんな顔をするの?






「ピカ!その人の動きを封じろ!」

「ハッサム、こうそくいどう!ピカに援護しろ!」






適切な指示だね、と私は思う

こうそくいどうによってスピードが上がったハッサムが相手の回りに物凄い速さで私を囲む。そこに身動きが取れない相手にピカチュウが体の何処かにでんじはを繰り出す。そうすれば確実に相手を捕まえる事が出来る

見事なコンビネーション

けど、残念だったね






「私には通用しないよ」

「!?―――ヤバい戻れ!」






私の読み通り、ハッサムがこうそくいどうで素早さを上げ、私の回りを囲む。そこにピカチュウが、でんじはを繰り出す為に高く飛び上がる

私の言葉に気付いたグリーンが制止の声を上げるが時は遅く、私は手にしていたボールを高く振り上げた


ボールが開かれた

そして、





「ビガァアッ!!」

「Σピカ!?」






ボールから出たポケモンはスピードを上げ、自身の尻尾で高く上がっていたピカチュウを容赦無くはたき落とした

その技はアイアンテール。それを繰り出したポケモンは白色のイーブイ、白亜だった






「な…白いイーブイ!?黒いイーブイじゃないのか!?」

「黒恋を知っていたんだ」

「ッ!?」






グリーンが気付いた時には私は彼の後ろに背中合わせの状態で、余裕を表す様に腕組みをしていた

グリーンは驚いていた

いくら相手のポケモンに目がいったとしても、まさか自分の背後を取られるとは思わなかっただろう。一体どうやって、そんな表情を包み隠さずグリーンは困惑していた






「なら、貴方にも見せてあげる」

「ッ!」

「貴方のポケモンの足元を、見て?」






私は言う

グリーンはすぐに自分の手持ちのハッサムの足元を見た


そこには一つのモンスターボールが、ハッサムの足にコロコロと転がっていた






「!?ハッサム、逃げ…」

「遅いよ」






カチッ、とハッサムの足にモンスターボールのスイッチが当たった

黒い光が溢れた






「あの子は黒恋、あっちの子は白亜っていうの。よろしくしてあげてね」







ハッサムが暗くなった夜空の中に、とんだ










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