ヘラクロスを倒した私達はそのまま町へと下りて行った



下りて行く中、ボールに戻りたくない二匹をまた定位置に抱いて歩きながら私は先ほどの光景で生まれた疑問を二匹に問いかけた





「ねぇ、君達はなんで進化とか出来ない技を繰り出せるの?」





聞くと二匹は立っていた耳をションボリと垂れ下がった

それと同時に、またあの声が聞こえた






《……実験》





実験

この子達の大きな傷



なるほどね、と確信した私はゴメンね辛いこと聞いてと二匹に謝った







きっと実験で白亜は石なし進化が出来て、黒恋は…きっと見た事ある技を使えるのだろう

こっちには好都合だけど…この子達を思うと使えないだろうと思った


使いたくて、欲しくて得た力ではない、人間が無理矢理実験で得た力

…絶対実験に使った奴等、ぶっ飛ばしてやる←





「ん…でも待てよ」






私は立ち止まって腕にいる白亜を抱き上げる

視線が、私と同じ高さになる


白亜はキョトンとして私を見る



私は聞いた





「白亜のその力、他でも使っていたの?」





白亜は聞くと思いっきり首を横に振った

なるほど、と私はまた白亜を抱き寄せた






「白亜、君のその力は私限定らしいね」






白亜を見る

白亜はマジで?!といっている様な感じで私を見上げた






「ついさっき、私はあのヘラクロスに勝つには炎タイプが必要だ…そう思った直後、白亜は進化した。今まで使わなかったじゃなくて、使えなかったじゃないかな?」





私は白亜の頭を撫でる

そして私は抱き上げていた白亜を地に降ろすと、頭の上にいた黒恋も地に降ろした






「どうやら黒恋は私なしでも使えるらしいけど、私の前だから使った。違う?」





視線を黒恋に向けると黒恋はコクリと頷いた






「辛い思いをしてきた、こんな力はいらない。…きっとそう思うかもしれないけど


私の為に、使ってもいいかな?」






この先は

この子達の力が必要になってくる



白亜と黒恋は私をまっすぐ見上げると、頷いた


すでにそのつもりだ、と瞳が語っていた







「いらないことしちゃったかな?」




私は笑うと2匹を抱き上げて定位置に移動させた






「それじゃ、日が暮れるまで山下りますか」








そう言うと私は足を進めた















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