「ジャン!」

「ケン!」

「「ポン!!」」




チョキ vs チョキ



「あいこ!」

「で!」

「「ショッ!!」」




グー vs グー



「「ショッ!!」」




パー vs パー



「「ショッ!!」」




グー vs グー



「「ショッ!!」」




パー vs パー








「「…………」」












「…ジャンケン、止めようぜ」

「んじゃ、あみだくじにするか」












………………………










「よっしゃぁああーーーッッ!!」

「くっそぉおおおーーーッッ!!」






紅い橋が現れ、さぁどうするかと二人が考えたのは、公平にジャンケンで決めよう!という事になりジャンケンを始めた、が…双子というのは恐ろしく、全然勝負が決まらない

次の手を使おうと、近くにあった棒であみだくじを書いて決めよう!という事でレンが持っていたスケッチブックに二本の棒を書き、線を付けたし、当たりには○を付けて、その○が付いた人の意見に従う。そんな決まりで行った結果、勝利したのはゼルだった






「運は俺に味方してくれた!」

「運は俺を見放しやがった…!」

「レンガルス、ざまぁねぇな。…さて、橋渡んぞー。俺が勝ったからには拒否権はさせねぇぜ?」

「クソッ!!」







ニヤニヤと口元を吊り上げゼルに、憎しみを込めて舌打ちをかますレン。喉の奥で笑いながら口元を吊り上げる自分の片割れの笑い方が無性にムカつくと思う反面、あぁ…きっと立場が逆だったら俺もあんな顔してんだろうなぁ、と頭の片隅に思った

よーし行くぜ〜、と急かすゼルを横目に、出していたスケッチブックを自分のバックにしまう。口から出るのは舌打ちばかりで、マジでセンターに着いたら覚悟しやがれと毒突く。しかし負けた事には変わりはない為、仕方無くゼルの後を追う


突然自分達の前に現れた紅い橋。ゆらゆらと揺らめくその存在は曖昧で、何処か危なっかしい。先に橋に近付いたゼルが一歩足を踏み入れれば、曖昧な存在が嘘の様に橋の存在を露わにする。しっかりとした、それでいて立派な紅い橋にゼルは口笛を吹く






「すっげ…こんな事ってあるんだな」

「…マジで行くのかよ、ゼル」

「当たり前だろ?今更何言ってんだか。…ほら、行くぞレン」

「…へいへい」







ルンルンと前に進むゼルに対し、レンはしぶしぶと前に進む

一歩一歩進める度に、レンの嫌な予感が募っていく。本当に、この森を前にした時から消えない予感はレンをより、焦らせる。目の前に歩くゼルは、橋から見える美しい景色を堪能しながらゆっくりと歩いている。確かに此所から見える景色はとても綺麗で美しい。自然の風景が好きなゼルが見惚れるのが分かる。ずっと居たい気持ちも分からなくもない。自分もこの景色は綺麗だと思うし…こんな予感さえなければ、ゼルと同じくらいにはしゃいていただろう。この景色を見ていると焦る自分が馬鹿みてぇだと考えを放棄したくなる。けれど自分を取り巻く予感は消えてはくれない。……片割れながら随分呑気なものだ、と舌打ちをするしかない





そして二人は、湖の中央にある大きな祠に到着した









「…デケェな」

「あぁ…」







塗装が全て紅い祠

映画やら本やらに出てきそうな、ソレ








――…また、巡り逢う為に…――








「お、レン。アレだぜ、オレンジ色の正体」






――…また、あの頃の幸せを…――







「へぇ、見てみろよレン。…すっげぇデケェ宝石だぜ。売れば高くつきそうだ…俺知ってんぞ、この宝石はパパラチャ・サファイア。コランダムの中でも珍しいヤツだ。てっきりオレンジ・サファイアかと思っていたけど、初めて見たぜ。…お、隣にあるのは指輪だな。ダイヤモンドか…おいおいこんな高価なモンがこんな所にあって大丈夫かよ」







――…次は、必ずあの方を







      、その為にも…――












――ドクン…






「…ッ、ゼルジース!そこからすぐに離れろ!!」






弾かれた、嫌な予感

祠の頭上に現れた、空間の裂け目


咄嗟に叫んだレンの言葉に、何事かと瞬時に振り返るゼルだったが――フワッとゼルの身体が、宙に浮いた







「………え…?」







ポカンと、ゼルの目が丸くなる

祠の頭上に突然現れた――紫色の空間の裂け目に、引き寄せられる。何故、と状況が分からなかったゼルだったが――自分の真上にある空間の裂け目を見て…顔を、真っ青にした






「ゼルジース!!」






レンは咄嗟に駆け出し、引き込まれそうなゼルの腕を掴んだ。まるでサイコキネシスの様に身体を淡く光らすゼルは、ハッと正気に戻ると慌ててレンの腕を掴み返す

まるでゼルだけを引き込もうとしていた。強い力が二人を襲い、より強くゼルを空間へと引っ張って行く






「ッ…何で俺だけ引っ張られてんだよ!?」

「だから…ッだから言ったんだよ早く帰るぞって!…おい、ゼルジース!スボミー出せ!つるのむちで持ち堪えさせろ!」

「ッ無理だ!磁力が強くて…ベルトから外れねぇ!」

「クッ…!」







レンの予感は当たっていた






「ゼルジース!ぜってぇー手を離すんじゃねぇぞ!」

「ッ…あぁ!」







絶対に離して堪るかと、ガッシリとゼルを掴むレン。対するゼルも引き込まれない様にガッシリと掴むも、自分の力以上に引っ張られる不思議な力に成す術はない


しかし、






ピカァアアアッ――






「!?グァッ…!!!!」

「クッ、目がッ!!!!」







突然眩い光りが二人を襲った

何処からか発生したのかは、分からない



しかしそれは確実に二人の視界を奪い、力をも奪った


そして――






「レンガルスーーーッッ!!」

「ッ、ゼルジースッ!!」







スルリと抜けた、ソレ

吸い込まれていく、ゼルの身体


レンの名を叫ぶゼルの声と、ゼルの名を叫ぶレンの声が、悲痛に響き渡り――







「レンガルスーーーーーッッ!!!!」







突然現れた紫色の空間の裂け目

ゼルは無情にもその空間の中に消えていき、裂け目はゆっくりと…閉じていった











――…見つけた、生まれ変わりの存在よ






力を記憶を、受け継ぎ…またあの御方に巡り逢わん…――










「う、そだろ…!!?おい、誰か、頼む、嘘だって言ってくれ…っ、






 ゼルジースーーーーーッッ!!!!」

















気付いたら俺は

センターの中に、眠っていた






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