「(ミリの太腿、柔らけぇなぁ……これも男のロマンの一つってやつか…悪くねぇな。あー…白亜と黒恋が取り合いになる気持ちが良く分かるぜ……落ち着く…。花の良い香りに、撫でる手が…あー駄目だマジで眠くなっ……Zzz)」

「「ブイ…Zzz」」









「…可愛いなぁ、フフッ」

「幸せそうな顔だ」

「これで涎が垂れたら面白いだろうね」

「ナズナ、ペンあるか?マジックの油性が適切だ。舞姫、今のうちにマジックで落書きしてやれ。面白いぞ」

「え(・_・;)」



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―――









何度も振り返っても未だに何故こうなってしまったのか理由が良く分からない

分かったとしても、何故…俺はあの聖地に足を踏み入れる事が出来たのだろうか



分かる事は、全てのキッカケがあの聖地の湖から始まり…俺の運命を、狂わせた










「…迷ってしまった、みたいだ」






ただの散歩として、泊り先のホテルから無計画のまま歩いていたら俺とした事が道を間違えて変な所に入ってしまった、らしい。此所は何処だ、…森だな、森しかない。阿呆な事をした。生憎今所持している手持ちはデンリュウとアリアドスだけで、テレポートが可能なフーディンと飛行が可能なクロバットは自室に置いてきてしまった。馬鹿な事をした、と今更になって後悔した

まぁ適当に歩いていればなんとかなるだろう、と俺は足速に森の中を歩き始めた







今になって、何故俺は一人であんな場所(と言っても森に行くつもりは無かった)に向かったのか、分からない


雨なら雨でマチスさん達とゆっくりすれば良かったのではないのか。…まぁ俺自身、親しい者以外に仲良く談笑する人間でもなかったから…きっと窮屈だったんだと思う。三幹部や首領には申し訳ないが、否定は出来ない。だから俺は窮屈なところから逃げるように外に出てしまったのが、運の尽きだったに違いない







しばらく適当に歩いて行くと…俺は妙な違和感を感じた


森が、動いている


別に木が地面から抜け出して自分から歩くわけではない。ポケモンの仕業、でもないのはこの森に入ってから分かっていた。…そう、まるで森が俺を導いている様に。俺は警戒しながらも、ひたすら真っ直ぐ歩いて行った






「ッ、…!?」






森から光が溢れ、そこから覗く景色に俺は目を張った







「此所は…一体…」











そう、そこには



森の中に隔てられた、誰もが侵入不可能と言えるべき場所

そこにあったのは、瑞々しく神々しい湖と、中央には壮大に立つ紅い祠がそびえ立っていたのだから










そしてすぐに俺は泉の縁を楽しそうに走る二匹のイーブイを視界にいれた


白のイーブイ、黒のイーブイ


微笑ましい姿に、俺は興味が持った。気付けば手は腰にあるボールを掴んでいた







「デンリュウ、アリアドス







 ――――あの二匹を捕まえろ」










これが、始まりだった





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