(微裏表現注意)(微裏なのか分からないけどとりあえず微裏だと主張してみる)










夕焼け空に浮かぶオレンジの海面を走る、存在



流れる白銀、黒の残像






その瞳に宿るのは――…





――――――――
―――――
―――












空はもう、夕焼けから薄暗い夜空へと変わりつつあった






「―――……ナズナ、良かったのか?他に別の言葉が……あったはずじゃないのか?」

「………………」

《……………》









ふたごじまの研究所




その部屋の中にいるのは、カツラとゴウキと刹那に、ナズナ



カツラはカーテンから覗く空を――レンが消え去った海を見上げ、言う。ゴウキはソファーに足を組み、腕を組んで瞳を閉じている。刹那もカツラの隣りで静かに空を見上げていた

机の上には、五つのボール

赤と白のモンスターボールの中には、赤と水色一色なボールが二つあった。ボールは動く事なく、沈黙を通す






「…だから言ったんだ。彼がそうなるのを知って…だから俺は止めた。それでも知りたいと答えたんだ。俺は本当の事を言った。ただ、それだけだ」






机の上に置かれた五つのボールの内、一つを手にする

このボール達は――先程レンが暴れた際に、腰ベルトから落ちたもの。レンはその一つを――スイクンのボールを持って、この研究所から出て行った



向かう先は、ただ一つ







「…忠告もしておいた」

「……………」

「白銀の麗皇と…"あの青年達"がどんな関係でいるかは、おおよそ大体の予感はついている。…だからこそ、彼には言いたくはなかった。そうだろ?…刹那」

《…あぁ》







刹那は知っていた

――――見ていた


だから言わなかった

――――言えなかった







「…白皇は、どうなる?」

「残念だが、俺が視たのは此所までだ。…後は、推測でしか分からない」

「…全てはミリ君に掛かっている、ということか…」








本当なら此所にいるはずだった、彼女


彼女が、ミリが、風邪をこじらせ来れなくなった事もナズナは視えていた




もし、彼女が来てくれていたら…







《主…》

「…二人を待つしか、ないな」







…それしか方法は、ない






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