「白皇、待っていた。舞姫の事はカツラから話を聞いている」

「あぁ」





時杜に紅い空間を開いてもらい、俺は(濃厚キスでへばった)ミリを置いてふたごじまに向かった

ふたごじまの研究所前に俺は現れる。時杜に感謝の言葉を述べ、ボールに戻してやる。研究所の中に入ろうと自動ドアに足を踏み入れようとした時、向こうからゴウキが現れた。どうやら俺を出迎えてくれたらしい。ゴウキの案内で俺は研究所の中に入り、皆がいるだろう部屋に向かった






「予定より遅れたな」

「あー、色々あってな」

「どうせ舞姫が行きたいと暴れていたんだろ?…が、疲れているわりには清々しい顔をしてるな…白皇」

「ははっ、まぁな」






「行きたい!」

「なぁ、ミリ…俺の言葉ちゃんと理解出来てるか?ん?」

「いきたい!」

「………」

「行きたい!いきたい!」

「そうか…そんなにイきたいか」

「!行かせてくれるの!?(パァアア」

「あぁ…イかせてやるさ…こんな風に」

「…え?え、ちょ、ま…」









風邪持つ相手に容赦なくやっちまったが…ま、大丈夫だろ←自分風邪移ると考えていない奴

そんな事を考えながら進んで行けば、カツラがいつもいる部屋に通された。ドアを開け、そこにいるのはカツラとナズナ、そして刹那に二人のポケモン達がわんさと…





ナズナの上になだれ込んでいた








「連れて来たぞ」

「レン、良く来てくれた!ミリ君は、大丈夫かい?」

「あ、あぁ…今眠っている」






ナズナをフル無視でカツラが出迎えてくれた。ミリなら今頃腰抜かしてヘロヘロになってハピナス達に介抱されてんだろうぜ…じゃなくて

俺の視界、カツラの後ろにいるナズナは床をベシベシと叩いて…多分俺の助けを必要としてんじゃねーかアレ。おい、ゴウキ、お前黙って見ているだけで助けてやれよ






「あぁ、気にしないでくれ。ナズナはああみえてポケモンに好かれるタイプでね」

「あー…そうらしいな」

「私のポケモンをさっきパソコンから転送して出したら、見事これさ。いやー、久し振りに見たねこういう光景」

「いや、カツラさん呑気な事言ってないで助けてくれ…!!」

「おぉ!そうだったそうだった」

「「…………(汗」」






カツラがナズナの上に乗っかるポケモン達の回収に向かう姿を視界に入れながら、俺とゴウキはソファーに座る。「ウインディ、逢いたかった気持ちは分かるがナズナが潰れてしまうじゃないか」「ガルル」「ぐえっ」「あ、ブーバーそれだとナズナ焼けてしまうだろ!」…カオス過ぎる。あぁ、此所にミリがいたら見せてやりてぇマジで

ゴウキもゴウキで呆れ気味でカオスな光景を眺めている。助けないのか?悪いな、俺はミリみたいに無謀な事はしない←

数分後、ポケモンから解放されたナズナは髪の毛ボサボサでやってきた






「…お前も苦労してんだな」

「あぁ…久々過ぎて対処出来なかった」

「悪かったよナズナ。ポケモン達にはほどほどにしろって言っておくよ」

「そうしてくれ…流石にブーバーは焼け死ぬかと思った…」





ポケモンに懐かれるだけで死ぬ思いするとか大変だな





「…俺が昔見たより…過度過ぎるんじゃないか?ポケモンは寄って来ても飛び付く程でもなかった筈だ」

「…そんな奴がどうしてロケット団員やってんだよ…」

「…そう言われてしまうと何も言い返せられないな…」






力無く笑うナズナ

ボサボサの髪を手櫛で梳し、ずれた眼帯を直す。皺でクシャクシャになった白衣を脱ぐ。長身のわりには線が細い体型が覗いた

…隣りにいるガッチリ体型のゴウキと全然違ぇ。異母兄弟でも違いすぎるだろ。コイツ等本当に兄弟なのか?






「まぁ…ポケモンに懐かれる気持ちは分からなくもないぜ」

「…そういえばレンは"白銀の麗皇"って呼ばれていたね。噂は色々あるけど…確かポケモンと会話している所を見たって話は聞いた気が…」

「…俺は野生のポケモンと怒鳴りあって最終的には蹴り上げたって噂を聞いたぞ」

「…野生のポケモンの喧嘩を話し合いで止めたって話も聞いたな」

「俺の知らない所でどんな噂が流れてんだよ」





ミリがいたら絶対笑ってるな





「……あー、誰にも言ってねぇ事なんだが…ナズナがポケモンに好かれる様に、俺はポケモンの言葉が分かるんだよ」

「!声、を…!?」

「…本当、なのか?」

「此所で嘘言ってどーすんだよ、ゴウキ。…俺がウォッチャーになった理由は、それだ」






そう、今まで黙っていたが俺はポケモンの声が分かる。…最初から聞こえていたわけじゃない。ある出来事から、聞こえる様になった

自分の手持ちはともかく、ゴウキやカツラやナズナ、知らないトレーナーのポケモンや野生のポケモンの声とかな

…最近はあんま需要がなかったから若干忘れかけていたが←






「ナズナ、さっきウインディに押し潰されていただろ?あん時ウインディは『ナズナさん久し振り久し振りニヤニヤニヤニヤうふふうふふ』、ブーバーは『そのサラサラな髪を次こそは焦がしてやる!』…って言ってたな」

「「「………………」」」

「そうだろ?刹那」

《あぁ、言っていたな》

「…俺、その内死ぬな…」






ただ…分からないとすれば伝説並のポケモンと…蒼華と、時杜ぐらい…か

伝説は…出会った回数は少ないにしろ、蒼華は相変わらず「…」だし、時杜は「キュー」だし…






…って俺何でこんな事暴露してんだよ







「俺の話は別にいいんだよ俺の話は。ったく…変な方向に行くとこだったぜ。ちゃちゃっと真実を聞かせてもらおうじゃねーの。ミリがいるからな…長居は出来ない」












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